04年03月01日(月)
「竹内先生」
 本日、公演後の荷物の片付けをしたんですが、午前中、車が到着するまでテレビを観てたまして。そんな時間のテレビというのは大概つまらないけど、やはり教育テレビは面白いのやっておりまして、番組名は忘れましたが、街の工場などをレポートする番組で、本日は紙工場についてでした。山の向うの川から水を引くため、山に4キロ近いトンネルを掘って水を流して製紙工場のプールに溜めるのです、このプールというのがコンクリの壁に囲まれていて大変異様な感じがしました、人間というのは不意打ちに水の溜まってる場所に出ると焦るのです、インド行った時、観光客の全く居ないイスラム居住区に行きモスクに入りました、一人で入ると危険だからと男が無理矢理やってきて「金はいらないから」とガイドしてくれたのですが、結局寺院出た時に金をせびられまして「スーパーゴールドだ」と言って数日前まで居たタイ国の小銭(10円くらいでも大量)を渡しました、「これなんだ?」と言ってきましたが、相手が不意打ち喰らってる間に逃げました、金は金だけど、その後、肉切り包丁二本持って追い掛け回されたり、大変怖い思いをしたのですが、そのモスクが大変素晴らしかったのです、多分それまでに東洋人なんて入った事無かったと思うのですが、だれ一人僕の事など眼中になく、ひたすらお祈りをしておりまして、中が迷路みたいになってるのです、そして、なにやら唱えながら壁に頭を叩き付けてる男が居て、この男を見た時、僕は「あっコレが聖人というものか!」と思ったほど強烈な人でした、それで迷路のようなモスク内を歩いてると、不意打ちにプールがあったのです、泳ぐプールではないのですが、汚い水の溜まった、長方形の水溜まり、それを見た時、僕は焦りました、なんかだか水に「お前飛び込んでみろよ!」と呼ばれてるみたいな、大変な恐怖を感じました。そして今日テレビで観た製紙工場のプールもそんな感じがしました。
 泳ぐためや魚を飼うためでなく、人工的に水を溜めた場所って異様な感じがします、人造湖とか、これは何故なのでしょうか? 分かりません。
 それで、本日、僕が話したかったのは、水溜まりの事ではなく、3チャンネル教育番組を皆さまも小学生の頃、学校で先生と共に鑑賞した事があると思います。で普通であれば、ガキ共が番組に突っ込みを入れますよね、変な奴出てきたら「なんだあいつ〜」といちいちうるさいく。しかし僕が4年生の頃、担任をしてた竹内先生は凄かった、なにが凄かったって先生が突っ込みを入れるばかりでなく、本当に怒り出して「馬鹿野郎!」と言ってテレビ消しちゃうんです。竹内先生はガラガラ声の当時50歳くらいのおばちゃんでフルネームだと竹内スエノ、いつも竹の棒を持ってて、それで悪さした生徒ブッ叩くんです、怒ると物凄く怖くて、僕も何回も叩かれました、それと切腹の儀式といって、悪さした奴やいじめた奴なんかを、教壇に座らせ、定規に半紙巻いて、腹を切らせる真似させるんですよ、それでけじめをつけさすと、で最後に生徒の首をその竹の棒でブッ叩くんです、介錯も先生自らやっちゃうのね、今だった問題先生ですよね、そんな感じだから、完全右派の先生で、日教組とかの先生と物凄く仲悪かったみたいで、しかし僕大好きだったんです、竹内先生、中でも凄かったのが、思いっきり喧嘩したほうが良いと言う事で、生徒一人ひとりがいけ好かない友達をさして、そいつら同士を戦わせる喧嘩大会というのがありまして、それも体育の時間マット敷いて、今で言ったら、小学生アルティメット大会です、僕が覚えてる中でもっとも壮絶だったのは、前田(男)とフィリピンからの帰国子女、安本(女)の戦い、男と女、凄いんだどちらも泣きじゃくりながら、最後は安本が前田の目の中に指突っ込んじゃって、前田眼から血を流して、保健室。これ多分凄い問題になって、それ以降喧嘩大会無くなっちゃたんです。で竹内先生の事書くときりがないのでその他のエピソードはまたの機会に書きますが、もう少し挙げれば帰宅途中にある僕の家に週一回は寄って酒飲んで酔っぱらって、テレビ観てる僕に向かって「サーモンの買ってこい」だの「勉強しろこの野郎!」と、他には休み時間に「煙草買ってきてくれ」って生徒に買いに行かせたり等々・・・先程も言いましたが先生です、それも女性の。
 でもう一度教育番組に戻ります、その日、僕等は社会の時間で、消防士さんの仕事内容を紹介する放送を観てたんです、それでレポーターが子供達の受けを良くするため、少しドジの愛嬌者という設定だったんですね、丸メガネを掛けて派手なセーター着て隣に猿か何かのキャラクター操り人形がいて、そいつが消防士に一日入隊するんです、それはヤラセなんですが放水の練習で己がずぶ濡れになったり、緊急事態なのに起床できず置いてかれてしまい、走って消防車を追いかけたり、入隊してもドジばかりして、キャラクターの操り人形に起こられてる始末、ここで竹内先生怒りが頂点に達し、「馬鹿野郎、なんだこの男、ふざけるな!」と物凄い罵声をテレビにやって、本気で怒ってるんですよ、丸メガネのレポーターに向かって、それはそれは物凄い剣幕で、終いにはテレビの電源引っこ抜いて、懐かしい学校のテレビの入った観音開きの扉をバッタンと閉めてしまい、最初は笑ってた生徒達も、ただ呆然としてしまってました。それで本日、昼前の教育テレビを観て、その事を思い出した次第なのです。
 竹内先生、まだご健在で、2年前自費出版で本を出版した、内容は、古事記の解釈とかいったもの、渋いです。それで出版パーティーで「あきと! 司会やれ」とか言われて、断りましたけど、パーティーは出席しました、横浜の小さなホテルで、ベレー帽被って、入れ歯カクカク言わせて挨拶してた竹内先生は素敵でした。
 昨日は鉄割の公演でした。多分、竹内先生呼んだら、僕等の公演観て、物凄く怒るか、とんでもなく喜ぶかどちらかだと思います。僕はとんでもなく喜ぶと思ってますが。高齢の為、あんまり遠出できないようなので呼んでません。

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雑記書手紹介

戌井昭人
東京生まれ(調布育ち)
鉄割の台本を書くの担当。あと変な動きとか考えるのも担当。
最近声がガラガラになってきている。だいたい変なおっさんの役担当。
趣味は歩くこと

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