03年03月07日(金)

 去年の六月ぐらいの少し古い話なのですが、スターバックスの広告が9.11を彷彿とさせるという理由で回収になったそうです。(fromインサイター

■Collapse into Cool(Rumors of War)

 同じサイトには、こんな記事も出ております。これも去年ちょぴっと話題になりましたね。

■Post No Bills

 上のふたつの記事を紹介しているUrban Legends Reference Pagesというサイトは、いわゆる都市伝説(Urban Legends)を紹介しているサイトで、巷間に伝わる都市伝説をカテゴライズして、さらにそれぞれの伝説をClaim、Status、Example、Variations、Origins、と詳細に説明してくれています。一度読み始めるととまりませんよ、これ。カテゴリだけで42もあるし。

 ちなみに「Japan」で検索をしてみたところ、三十数件ほど引っ掛かかりました。日本のデパートで、クリスマスのデコレーションに、笑顔のサンタクロースが十字架にかけられている絵が飾られていた、とか、自動販売機で女子高生の使用済みパンティが売っていたとか(これは本当の話なんだって)、最近の日本の流行はシースルーのすけすけスカートだとか、Sonyは「Standard Oil of New York」の略だとか、日本で新しく発売された水素ビールを飲んでカラオケをすると、声が高くなって青い炎を吐きながら歌うことができるなどは、都市伝説として取り上げることが理解できるのですが、「スシは全部生魚(刺身)である」って都市伝説として語るにはいかがなものでしょう。

 都市伝説というよりも、事件として興味深いものもあって、たとえば以下の記事。

■Japanese woman dies in Minnesota while engaged in a search for money buried by a fictional character from the film Fargo.
(日本人女性、映画「ファーゴ」の登場人物が埋めた身代金を探索中にミネソタで死亡)

 これ、事実なんですって。映画「ファーゴ」でスティーブ・ブシェミ演じる誘拐犯が雪の中に埋めた大金を探しに来た日本人女性のお話。興味深い話(不謹慎?)だったので、拙訳してみました。

 2001年11月、ノース・ダコタ州ビスマルクで、コニシタカコ(Konishi Takako)という28才の日本人女性が、埋立て地にあるトラック・ストップでさまよっているところを発見された。コニシさんは、11月9日にミネソタ州ミネアポリスに到着し、バスでビズマークまでやってきて、翌日、彼女が道に迷って困っているのだろうと思って声をかけてきた男性に助けられた。男性は(彼女の英語力の問題で)コニシさんとうまく会話ができなかったため、彼女をビズマークの警察署へ連れていった。彼女はそこで、警察官に高速道路の横に木がある手書きの大ざっぱな地図を見せた。それは白のタイプ用紙に書かれており、どうやら彼女は映画『ファーゴ』の登場人物が埋めた大金を探索しているらしかった。

(中略)

 ビズマーク警察は、映画『ファーゴ』がフィクションであり、ノースダコタ州のどこを探しても、雪の中に埋められた埋蔵金を発見することはできない、ということを説明したが、無駄だった。彼女はなんらの法も侵しておらず、正規のビザを持ち、十分な資金を所有したので、引き止めることも、報告書を書く理由も見つからなかった。コニシさんが身振りでファーゴへ行きたいことを示したので(おそらくは、映画の登場人物によって埋められたあるはずのない大金の探索を続けるために)、警察はバスの停車場まで彼女を送った。彼女はバスに乗ってファーゴへ向かい、そこでタクシーをひろって、星を見るためにミネソタ州デトロイトレークスに行った(獅子座流星群が見たかったのかもしれない)。

 数日後、あるハンターがデトロイトレークの松の木立で、偶然コニシさんの死体を発見した。検屍官は死の直接的な原因を特定することはできなかったが、彼女が鎮静剤を服用していたことと、野ざらしの状態であったことが死因ではないかと思われた。後に、彼女がビズマークから家族に送った手紙に自殺をほのめかす記述が発見されると(彼女はビズマークを去る前に、所有物のほとんどを処分していた)、彼女の死は自殺であると断定された。

 コニシさんはなぜ、存在しない財宝を求めてビズマークに来たのか。そして自殺したのか。謎だけが残る。

 これって日本でも記事になったのかしら。初めて聞いたよ。なんだか、切ない事件であります。彼女がファーゴに行った本当の目的は、なんだったのだろう。

 日本で定番の都市伝説で、旅行先で行方不明になった娘(恋人、妻)が、数年後に見せ物小屋で発見されたというのがあるのですが、このサイトにもやっぱりありました。下の記事では、進行旅行で行った先のパリで、あるブティックの試着室に入ったまま行方不明。数年後に発見されるのですが・・・・。もちろん、これは完全な都市伝説ですよ。

■The Shanghai'd Bride

 誘拐された女性は、やっぱり日本人なんですね。海外で広まったのであれば、広まって行く過程でその国の女性に変わってしまってもおかしくないように思うのですが。

で、ぼくが個人的に一番面白かったのはこれなんですけど

■Angry Raisins

 ジョン・スタインベックの『The Grapes of Wrath』のタイトルが、日本では『The Angry Raisins』になっている、というもので、日本語の『怒れる葡萄』という邦訳はなかなか正しいと思うのですが、それを逆翻訳すると『The Angry Raisins』として伝わって、これはアメリカ人にしてみれば『おこったほしぶどうくん』みたいなニュアンスになってしまうといういわゆる「語翻訳」話で、明治の初めに日本に来たワーグマンが「to be or not to be that is the question」を「あります、ありません、あれはなんですか」と訳したという話と同じようなものです。

 けれどもこの記事が面白いのは、そのような「誤翻訳」のおもしろさに焦点を当てているわけではなくて、このような話がどのような過程を経て少しずつ変化して行くのかを解説しているところにあります。興味のある方はぜひ読んでみてください。

 どうでも良いのですが、一番最初のスターバックスのタゾ・シトラスティがとてもおいしそう。これって日本のスターバックスにありませんよね?


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
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