03年08月05日(火)

 ムーミン・コミックス全十四巻を購入。何年か前、トーベ・ヤンソンさんがお亡くなりになったときに、池袋リブロの特設コーナーで立ち読みをして、コミックスが小説の雰囲気と全然違うことに驚いた記憶がある。改めて読んでみると、やはり雰囲気はちょっと違うけれど、根底に流れているユーモアのセンスはやはりムーミンシリーズ独特のもので、ただ少しだけ小説より大人向けになっている感じだった。

 とにかくもう、最高に面白くて、法と秩序を完全に放棄したムーミン谷の生活が描かれている。例えば、第二巻の『ムーミン谷の気楽な生活』。義務と労働に目覚めたムーミンパパが、その第一歩として早起きをしたところ、物音に驚いたムーミントロールに射殺されそうになる。ムーミンパパは家族に労働と義務の話をし、感化されたムーミントロールはとりあえず仕事を得る為に、『磁石の世にひきつける個性を得る方法』というハウツー本を読むが、うまくいかない。ムーミンパパは、どの会社にも雇ってもらえないので自分で洞窟を改造してボートレンタルの会社を作るが、昔のボヘミアン仲間と再開し、トランプに打ち込む日々を送る。ある日、船乗りは危険な仕事なので生命保険に入れないという理由で、ムーミンパパは森番に転職する。ムーミントロールは警察署長から道をかざる貝殻を拾う仕事をもらう。しかし最後には、京極堂のごとき存在であるスナフキンの言葉によって、ムーミン一家は労働と義務から解放され、「どっさりワインときままな暮らし、やっぱりむりよね正しい生活!」という結論に至る。

 その他にも、黄金のしっぽが生えたムーミントロールが一躍メディアの寵児になったり、アメリカの西部開拓時代にタイムトラベルしたり、スノークのお嬢さんがやりまんみたいになっていたり、どのお話もとてもおもしろい。まだ三巻までしか読み終えていないので、あと十一巻も残っていると思うと嬉しくてわくわくする。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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