人間は、自らの存在を脅かすほどの酷い経験をした時、その忌忌しい記憶を無意識のうちに脳の奥底へと追いやり、二度と思い出すことはないそうです。
僕のカメラに残っていたこの写真。
撮影したのは間違いなく僕なのだと思うのですが、この写真が、一体なんの写真なのか、何をしているところの写真なのか、全く思い出すことが出来ません。そして、あの日の夜の記憶も、すっぽりと抜け落ちています。
一体僕たちの身に、何が起こったのでしょうか。
主催の戌井昭人がこれまで発表してきた作品が単行本で出版されました。