03年05月11日(日)
 朝、九時起床。減量中につき、朝食はグレープフルーツジュースのみ。Webでニューヨーク・タイムズの記者が、記事のぱくりと捏造を繰り返していたというニュースを読む。ニューヨーク・タイムズのサイトを見ると、十ページに渡って事件の経緯を報告している。長いのでまだ読んでいないが、ニューヨーク・タイムズのような世界的な新聞社でも、このような事件が起きてしまうことに驚愕。

 数年前、理論物理学者であるアラン・ソーカルが、「ソーシャル・テクスト」という論文誌に、「境界を侵犯すること」という論文を発表した。論文は、カルチュラルスタディーズやポストモダンの専門家による審査を通過して掲載されたわけであるが、実はこの論文はソーカルが意図的に書いた出鱈目なものであり、用語の誤用、意味不明の内容、適当な引用などをつなぎ合わせて、それらしい論文に仕上げたものだった。意味のないパロディーの文章が、その分野の専門家たちに多く読まれるはずの研究誌に、正式な論文として掲載されてしまったのである。ソーカルは自ら実例を挙げることによって、現代思想が概念の複雑なものになりすぎて、専門家ですらその内容を判断することができなくなっていることを厳しく非難したのだ。この事件は、掲載された雑誌の特集が「サイエンス・ウォーズ」だったことから、『サイエンス・ウォーズ事件』と呼ばれている。

 今回の報道が真実であれば、事件の当事者であるジェーソン・ブレア氏の記者生命が絶たれたことは間違いないだろう。そうであるならばここはひとつ開き直って、次のように主張すべきだ。「今回の事件を起こした目的はふたつある。ひとつは、ニューヨーク・タイムズの原稿の審査の曖昧で杜撰な実情を世間に暴露してその管理体制を非難すること。もうひとつは、そのようなメディアの情報を鵜呑みにして生きている世界中の人々に対して警鐘を鳴らすことである」と。そして最後に、「パクリで世論を動かせるし、捏造で歴史を作ることができる。それがメディアというものだ。それでもあなたはメディアを信じるか?」という問い掛けも忘れないで欲しい。言い切れ。自信をもって。人間、言ったもん勝ちだ。

 昼、映画『あずみ』を観に行く。原作が好きだからと言い訳をしながら観に行ったが、実は上戸彩にマジぼれの自分が怖い。客は中高生ばかりで、少し恥ずかしい。

 夜、稽古。暇。今月号の『Studio Voice』を読んでいたら、ファーガデリックのインタビューが載っていて、奥村君がSILASとTONITEのことを教えてくれた。今度一緒にTシャツを買いに行こうという話になる。洋服に疎いぼくは、彼のような友人はとても貴重。

 稽古終了後、焼鳥屋へ。次の公演の次は、八月の上旬にあるらしい。さらに八月の中旬には、地方へ行くという話が進んでいるとのこと。七月の下旬には稽古が始まるので、上旬から中旬ぐらいに山登りに行こうか。今年はどこへ行こう。

Sub Content

雑記書手紹介

大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

最近の日記

過去の日記

鉄割アルバトロスケットへの問い合わせはこちらのフォームからお願いします

Latest Update

  • 更新はありません

お知らせ

主催の戌井昭人がこれまで発表してきた作品が単行本で出版されました。

About The Site

このサイトは、Firefox3とIE7以上で確認しています。
このサイトと鉄割アルバトロスケットに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームまでお願いします。
現在、リニューアル作業中のため、見苦しい点とか不具合等あると思います。大目にみてください。

User Login

Links