02年10月01日(火)
近所のドトールコーヒーで勉蔵を見かけた。奥のほうの席で、ニタニタしながらパソコンを覗き込んでいた。ちょっと観察してみた、一人ぼっち、コーヒー屋の隅でパソコンを覗き込むメガネの男、なんとも孤独な感じだが
幸いな事に、彼にその孤独感は見受けられなかった、それよりも孤高な変体感が漂てった。
近づきがたいニタニタ。放っておいた。
実は、このドトールで彼を見かけるのは2回目。
02年10月02日(水)
そういえば何週間か前に「ロイヤルテネンバウムズ」という映画を見た。観た後すっかり忘れてたら、
さっき雑誌の映画紹介に出てた。観た後であるが、紹介文を読んでると大変おしゃれでウィットに富んだ
ユーモアらしいけれど、
観た後、すんなり忘れてしまってたように、なんの印象も残らない
映画でした。それでまた、数週間前の週刊誌を読んでましたら、おすぎが、星一つで、この映画の
事ぼろ糞に言ってました。僕はそこまでぼろ糞に言う気は無いけれど、
おすぎと同じような意見を持ってしまった、自分がなんとも複雑な気分でした。
おすぎのお勧めで映画を観たことは無いけれど、今度、お勧めされたら,見てみようかなと思った。
02年10月03日(木)
毒蛇にかまれても、大丈夫な薬を売る男がいて、そいつが村人に蛇を持ってこさせて
噛み付かせる、男は毒が回って、ブイブイ身体が膨らんでいく、でも男は地面に転がりながら
ヘラヘラ笑ってる、そして、最後に机に飛び乗って、その薬を飲んで直る、で販売、馬鹿な
海軍男がそれを買って、母国に帰り、同じ事やったら膨れて死んだ。その後まあ色々あるんだけど
そんな話がありまして。死ぬかと思った、面白くて死ぬかと思った。
これ僕は水に漬かりながら海辺で読んだんだけど、ガルシアマルケスの話、辺鄙な海辺とか舞台の話が
多くて、辺鄙な海辺で読んだら凄くよいと思いました。
本を読む場合、その環境も影響すると思います。
寝る前にベットで読んだのと、山奥で一人テントの中でヘッドランプの光で読むのは
同じ本でもまた区違う印象になります。
とにかくガルシアマルケスの本は、海の近くで読み、重たい潮の風なんかにあたって読むと
すんごいいいんじゃないの。
02年10月04日(金)
台本を書いてる、なんだなあ、かんだあなと思いつつ、30本くらい書いた、読み返してみると、宇宙にで書いてたのか、と思えるくらい、意味が分からないもの多数、集合してやってみないことには分からない。
02年10月05日(土)
近所を歩いてると、勉蔵と遭って、飲みに行った。
魚がおいしくて安い店なのだが、勉蔵は、「骨の有る魚食えませんよ」と言ってるので、骨をとってやったら、「これ骨が無くて食べやすいですう」、揚げ句カレーライスが食べたいよといって、居酒屋でカレーライスを食って、おならをする。帰り際、店の人に、「テレビ出てない? コマーシャル」と言われ、恥ずかしかって、魚の骨がのどに刺さって痙攣。「シャックリが止まらない〜!」と店で騒ぎだし、店の人に、氷を思いっきりかみ砕けば止まるよと言われ、噛み砕いてたら差し歯が抜けたらしく、それを、焼酎の中に入れて、消毒して持ってかいりますと言ってた。
02年10月07日(月)
仕事を早めに終わらせていただき、新宿に向かって、方々にチラシを配って歩いた。タワーレコード等レコード屋さんにチラシを置いてもらう。チラシを置くにしても感じの悪い店員と良いのが居りまして、今回はビームスの店員がとても感じよかっくて、悪い方はいませんでしたが。
 かつて一番感じの悪かったのは、青山の気取った、隠れ家的、糞カフェで、お茶まで飲んで気をつかって、チラシを置かせてくださいといったら。コンセプトだとか、どうのようなことやってて、どのように洒落てるのかとか聞いてきて揚げ句、チラシ置かせてくれないで、本当ムカツイタ、高いんだよ、飯は時間かかるし少ないし、あのような糞気取りが一番ムカツク。
 あと伊勢丹下のボンジュールレコードの方も大変感じの良い方でした。大抵は感じよいのですがね。
で、帰宅して、部屋片付けて、アフリカ音楽聴きながら、台本を書いた、このまま書き続けたら、500本くらいできてしまいそうだか、しかし、なんだか机上ではぱっとしないかんじがしたので、アフリカン音楽で頭を振って、汗をかいた。
02年10月11日(金)
順番を考えたり、演目増やしたり、書いたり。
脳が大変疲れてしまった模様。
男だけで、酒を飲んだら、相当酔っぱらって
裸足で帰宅して、ゲロ吐いた。
でまた、部屋で飲酒、何故か、地獄の黙示録を皆で
鑑賞しながら泥酔状態、ゲロ吐きに便所行って。
大きなノッポ古時計を、皆に輪唱させてたらしい。
地獄の黙示録(完全版)だったので、3時間以上あったのに、殆ど記憶が無いけど、プレイガールのシーンはやっぱ素敵だった、スージーQ、あの光の感じ。
朝起きたら誰もいなくて、電化製品全部ついてた。
02年10月13日(日)
今回の公演の音の録音、今回、ターンテーブルが家にあったのでスクラッチなんぞをやってみたりした。
朝からやって、練習いって、また録音、一日がかり。
ドアーズ観に来て下さい。よ
02年10月14日(月)
僕はおんぴーちゃんというというバンドでギターと雑音係りをやってます。
このバンドのリーダーは眼鏡を掛けた、大変神経質で音にうるさい奴で
ああ、今の演奏気持ちよくギター弾けたと思ってると、
大概、射精してしまったドラムの子供が笑顔を投げかけてきてくれるので、嬉しい気分になります。
しかし、リーダーの顔を見ると、ムスっとして、曇った眼鏡を拭きながら、
「だぶだぶだぶだぶ」とわけのわからない事言ってる有様です。
ですから気持ちよく演奏できたあとでも、なるべくリーダーの事は見ないで。
ドラムの子を見るようにしてます。
特にリーダーは、ヒップホップやダブ、レゲエがお好みで、音圧や音の間に煩いのです
僕がサンプリングサンプリングと適当な音を繋げて遊んでると
「そんなものサンプリングでもなんでもない」とラップで一喝されます。
そんな怖いリーダーをなだめるが如く、今回ベースに加わってくださるのが
BABAさん、紅一点の女性です。彼女のベースは聞いた事がないのですが
リーダーが申すには、「貴様らなんかよりグルービーだぞ!」と鼻息荒く言ってました。
ですから、大変楽しみです。
そしてリーダーは珍しく、当日の音ではなく、動きにや踊りについて
細かく指導してきました。僕はステージ上で暴れて、床にぶっ倒れて
自分でも訳わからなくなってる事がしばしばあるんですが、
息を整えて、冷静な状態に戻り、いつも微笑んでくれる射精のドラムとは
対照的に、リーダーの眼鏡の奥、ガラス越しの視線はいつも冷酷でした。
そして口元は「ヒップホップヒップホップ、ヒップホップはモットクールなのに」
と文句を言ってました。
しかし、今回、リーダーから、「お前、もっと沢山、暴れて転げまわれよ!」と
言われ。やっと認めていただけたのかと思う反面、なにかたくらんでる様で怖い気もします。
こんなおんぴーちゃんのライブ、19日ドアーズ公演終了後 ¥1000で御座いますので
ぜひともいらしてくださいませ、お待ちしてます。
02年10月17日(木)
小粒でピリッと辛い にくい奴
社長はちょび髭を生やしてる
社長は省エネルックと称し
三つ揃えのベストを裸で着てる 
素肌にベスト 冬でも夏でも秋でも宇宙でも
スラックッスはヨレヨレだが気にしない
ジャージのようで履きやすい
上着は、雨に濡れた子猫にかぶせてやったきり
持ってはいない 
子猫は3日後に死んだ
社長はちょっと泣いた
社長は中古で買った 星のマークのズックを履いてる
その方が逃げるときに便利だと 
その方が追いかけるときに便利だと
人生とは鬼ごっこよ 社長は言っていた
社長は食にこだわりは無いが チャーハンを作る
豪快に炒めるから 3分の2は 床に飛び散る
そのままにしておくから ガビガビノ米
黄色いバイクに乗ってる 散弾銃を違法で持ってる
コンピューターを2台組み立てた 
こげた鍋に金を投げ込み貯金してる 屁は便所でこく
たまに手荒に恋の手助けをする 基本的に一匹狼
シャチョウ sha-chow
02年10月20日(日)
ドアーズ公演が終わった。素敵な公演が出来たと思う
しかし余韻に浸る暇など全く無くて、次回の多摩美術大学の公演がございます。
ゆいつ余韻に浸れたのは、打ち上げで、久しぶりに、参加者全員が
集まった打ち上げ、大変楽しかった。しかし、途中で気持ち悪くなり
商店街をゲロを吹き出しながら一人帰宅した。
02年10月21日(月)
河口湖方面から友達がやってきた。
彼は大変特殊な人間で、東京にでてくると
その特殊の度合いがめちゃくちゃな方向に走る時が有る。
鉄割の大屋さん馬場さんと一緒にその男に会う。
最初は、懐かしさと、嬉しさで、調子よく飲んでた彼だが
一人で日本酒の瓶を空けてしまった辺りから
だんだん、オカマのヤクザに変容してしまい
「かわいい男の子を呼べ!」と喚き始め、お家でゆっくりお休みになってた、大根田君が呼び出され、
抱きつかれ、舐めまわされ、普段なら対応の上手な彼も少し困惑気味。僕の家の近所に泊まってた彼
最後は紅茶を飲みながら撃沈、午前4時くらい
次の日彼は、コマ劇場にピーターのリサイタルを
鑑賞しにいくらしい。
02年10月24日(木)
大変怖い夢を見た。夢というより幻覚みたいなかんじだった。
その日は焼酎を飲んだのだけど、中に幻覚エキスでも混入してたのかと思われるような感じでありました。
内容は、夢というより、寝てる僕が繰り広げることで
ますます現実と夢の区別がつかなくて、まず、ベットの上の電球が燃え出し、ベットの上が溶け出してる、
で夜中なのに爺さんが家の周りを高速で走ってまして、屋根では中国人が数人宴会をやってる
僕はベットから立ち上がって文句を言いに行こうとするのだが途中で身体が動かなくなり、床に倒れて、そのままスーっとベットに引き戻されてしまう、夢の舞台は今、寝てる自分だったから、夢を見てるという感 覚は全く無くて大変疲れた。
 その日は現実で、牛島と勉蔵と飲んでたのですが
夢の中では、その時、ビールジョッキで勉蔵の顔を叩いて眼鏡を割ってしまった設定になっていて、罪悪感が悪魔の如く押し寄せ、そしてどうも、その罪悪感と眼鏡の恨み怨霊によって、僕の身体が動かなくなってしまってる様子。部屋は溶けて、屋根で宴会、爺さん走り回り、俺の身体は動かない。現実でもないのに、勉蔵の眼鏡を割ってしまった、恨みはヤバイと、恐ろしくなりました。
 皆さまも、もし夢の中で勉蔵氏が出てきても、くれぐれも眼鏡を割ってはなりませんよ。
なんかボブ・ディランを最近よく聴いてる。
02年10月25日(金)
 Sは骨休めにイチゴミルクを飲んだ、煙草は吸わない、ここ7日ばかり、バーボンを飲み続け胃の中に栗を放り込まれたような有り様だった。昼も夜も朝も飲んでいて、いつ寝たのかもよく覚えてない。
 悲しい出来事が起きたのは、10日前だった、その日は雨だった、圧迫したニビ色の空から煙のように沸いてくる嫌な雨。路地裏のガード下、配線が絡まったような場所には、ろくでも無い奴等ばかり集まってくる、頭の配線がショートした奴ばかりだ。しかし始終気を張ってなくてはならない街中よりは楽だ。それに、香水の匂いや、美味そうなソースの匂い、良い女や金持ち男の匂いのする場所より。煮えたぎる臓物、腐れうどん、メンス、ザーメンの匂いのするこの場所の方がましだと思ってる。
 その日Sは路地のどんずまりにあるうどん屋で、素うどんに七味唐辛子を大量にぶっ掛けて食った。思ってたように寒かった身体は温まった。
 Sは幼少の頃から薄着である。毎日ランニングシャツだった。中学高校はガクランの下にランニングを来て、学校に着くなり、ガクランを脱いだ。その後、社会に出てスーツを買う、三つ揃えの地味な紺色のを、しかし、どうも上着がうっとうしくて仕方なく、上着を脱いで、素肌に着てるベストだけになり、それと同時に小さなボタン工場の営業も辞めた。3ヶ月働いた。働いたと言っても、殆ど喋らないSに営業が勤まる筈もなく、業績はゼロだった。
 上着を脱いで素肌にベストだけになったSに勤まる仕事といえば、まともな仕事はない。しかし人の下で働くのはもうごめんだ、皆、「どうして薄着なの?」「素肌にスーツ着ちゃうの?」「シャツ持ってないの?」と、うっとおしい質問ばかりしてくる。Sはそのつど思った、自分が社長になった暁には部下全員、薄着を強要しようと。しかしSは社長になる人望や一緒に起業しようという人間は一人も居なかったし、友達自体が居なかった。中学時代のあだ名はクチナシ君だった、その後クチナシの花君になって、それでは呼ぶのが面倒だからハナちゃんにった、しかし喋らなかったので、あだ名を付けられても、彼を呼ぶ奴なんていなく、あだ名の意味など殆ど無かった。つまりSは驕り高ぶって馬鹿相手に喋ってられねえ、と言うような無口では無く、単に馬鹿だと思われてた。
 Sは会社を辞めてから3日後、ガード下の易者と並んで、板切れに「人捜し 請け負う」と書いて突っ立った。つまり、この腐れ路地のガード下で立派に開業し、独りぼっちの社長(気分)になった日の始まりだった。客が来て話が出来るか心配であったが、だいたい人を探して欲しいなんて言うやつは切羽詰まってる場合が多いから、相手がベラベラ喋ってくれるだろうと思った。
02年10月29日(火)
鼻毛を抜いて、並べて
一番、長いのが優勝というゲームを
一人、仕事中にやってた
敗者も勝者も己の産物
不思議な気がした、ちなみに優勝は2センチ位君

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戌井昭人
東京生まれ(調布育ち)
鉄割の台本を書くの担当。あと変な動きとか考えるのも担当。
最近声がガラガラになってきている。だいたい変なおっさんの役担当。
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