低学年時、近所に同級の少年が少なかったせいもあり、一人ぶらぶら過ぎ行く日々の中、三軒隣に引っ越してきた家族がありまして、当然その家庭にも同級生はおらず、接点は全くなかったのだが、ある日、「近所のよしみでも作ろうかしら」と越してきた家の婆様が、そこに通りかかった、一人遊びに疲れ、薄汚れた少年を新築の兎小屋に招いたところ、あがるやいなや、その家の爺様の「そんな汚い奴をあげるんじゃねえ」の怒声は響き、且つ、誘ったはずの婆様は他人の振りを決め込み、尚のこと、真性の少年のいたいけな胸は引裂かれ、二十数年たった今も、そしてこれからも抱えていくどうでもよい思い出。