10年01月05日(火)
うちの猫はもう死んだのですが、高齢で20歳以上にはなっていました。大変よい猫でありました。名前をたぬきと言います。世の猫の中で一番好きです。死んだ動物を剥製にするという趣味は、なにやら不気味でよろしくないような風に言われる昨今のようですが、あの猫に関してはかなり本気で剥製にして取っておきたいという気持ちでありました。勿論それは反対にあいましたので叶わず、なんか焼き芋屋さんみたいな変な車がやってきて燃やされて煙と骨になってしまいました。ペット火葬業者のようです。燃やされた猫の骨は庭に埋まっています。骨はあんま興味ないので要らないです。たまに骨に興味がある人がいて、骨とか欲しがったりするそうだと話に聞きますが、私は骨を持ちたくないです。山歩きをしてて、鹿1頭の完全なる白骨を発見した時は大変に嬉しかったですけども、欲しくなかったです。それは、鹿が死亡して、屍となり、微生物大集合ですっかり肉や毛が分解されなくなって誰も手を付けていなかったモノを見たという喜びであります。骨にはあまり興味がないです。いつぞや山梨県で道路の端っこに猿の頭蓋骨があったのでしげしげ見ましたけれども全く欲しくなりませんでした。人間の骨は何度か見ましたけれどもやっぱり欲しくないし、猫の骨も要りません。でも、ピカソが魚の骨を持って喜んでいる写真はよいと思います。あの喜びはなくはないですけれども、骨は見るだけでよいです。欲しくないです。
そのピカソの写真は、子供の頃の友達の家に遊びに行くと貼ってあり、大変記憶に残っており、ずっとその写真をその子のおじいちゃんの写真だと思っていたのですけれど、大人になってから、あれはピカソだとわかりました。
そんでその骨になって埋まっている猫が生きていた時はちゃんと縄張りがあってパトロールしていたので、外に他所の猫はめったに来ませんでしたのですけど、死んでしばらくしたらまた新しい猫が現れました。名前はないです。その猫、気が小さいくせにがめつくてすぐに怒るし触らせないのでぜんぜん可愛くないのですけども、毎日きます。何故ならば食べ物をやるからです。食べ物をやる時も食べてる時も、だいたい30センチ以内に人間が居ても問題はないようです(尻尾の付け根は後ろ足の間に引っ込めているけれども)。とても近いのです。近くにいるのですが、大変に臆病なのでちょっとでもこちらが動くとそこから更に30センチくらい逃げて怒りに満ちて戻ってきてまた食べます。そして凄い声を出して威嚇します。あれ、多分ガオーとか言ってるつもりだと思います。噛もうとするのです。前世はトラだったのか。なんともまあ本当に心底可愛くない猫です。そのような猫に対して人間は「きっと怖い目にあったからだ」とか言いますけれども、私はあれは性格だと思います。確かに怖いめにあったかもしれませんが、他の野良猫だってそこそこ怖い目にはあっているけれども、食べ物をくれる人にはだんだん慣れるものです。この新しい猫は一向になつかない。どうなっているのかこれも猫一族の何かの実験なのであろうか。猫という生き物は世界中で昔から人間の一番近くに暮らす、人間の衣食住においては特に目的のない動物です。ネズミを捕るとか言いますけれどもいまやめったにないことです。猫は家畜ではないのです。私が思うに、人間を調査するには猫になるのが一番よいのです。猫は人間の身近に生きて人間を調査するのに適した動物なのです。
今日散歩に出掛けましたら、猫がいました。その猫はひなたに座ってうとうととしながら通りの人間を調査していました。触ったら猫らしく触られていました。うちに来る猫もこのように触らせればよいのだけれどと思いました。でも猫がいないよりも、可愛くなくても新しい猫がいるのはこちらも調査のしがいがありますのでよいと思います。でもどうせならばもっと可愛い猫がよいのです。そのことで悩んでいます。あの猫に食べ物をやるのをやめて、新しい猫を待つべきか、あの猫を調査し続けるべきか。あんなに可愛くないので、あの猫はどこかで飼われるとかはないように思います。可愛い猫は何処かで飼われて来なくなるのですけれどもあいつには無理だと思います。なので、食べ物をあげている限りは毎日来ることでしょう。あの猫については、猫であること以外はあんま興味がないです。あいつが猫であることの重要性がどれくらいなのかを最近は検討しています。それは多分自分のことなのです。

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雑記書手紹介

松島
横浜生まれ横浜育ち
鉄割の制作担当。食べたり飲んだり旅行したりしている。
ふと目を離すと何か食べている。

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