10年02月24日(水)
武田百合子さんの富士日記(上)を読み終わりました。読み終わったのです!もう今は「うに」が食べたくて仕方がないです。それは、グルメな気配の漂う「うに」ではなく、もっと日常的な「うに」です。本当はこの「」とかも付けたくないです。ただ

うに

なのです。しかし私のだらだらした文章の中では読みにくくなるので「」を付けます。そしてその「うに」はどのようなものかというと、私の調査と想像によると、きっと瓶に入った赤いやつなのです。
富士日記は武田さんの富士の家での日々の記録が書いてありとても面白いです。その暮らしは「くまプー」に通じるものがあります。場所のことなどもよく書いてあるので、地図を見てだいたいのめぼしを付けたりしまして楽しいです。中でも毎日の食事内容が書いてあるのが凄くよいです。家族の皆が必ずや同じモノを食べる訳でもないし、朝昼晩必ずやきちんと食べない日もあります。それが本当なので当然です。たまに御馳走を食べましてとても良いです。色々思っていたことが落ち着く場所も見つけました。よかったです。そしてこの富士日記の(上)の、特に中盤、気付けば武田さんたちは毎日「うに」を食べているのです。山の暮らしの中での毎日の「うに」です。これは間違いなく生うにではないのです。私の偏見から「うに」の高級さを奪い、その日々の記録の中にしょっちゅう出てくる「うに」という文字は大変に安らぐものに感じました。実際食べたってそんなにとても美味しいかどうかは定かではないのですが、近々どうにかその身近な日々の「うに」を食べようと考えています。同じく「大根おろし」にも惹かれ(元々大根おろしは大好きなのだけど、家でやると憎たらしいくらいに辛くて悲しい気持ちになることが多い⇒インターネットであまり辛くない大根おろしの作り方を調査した結果:皮を厚くむいて上のほうをすればよいとわかった)「海苔」も素晴らしいです。そして武田さんは漬けた肉や魚を食べたりバター炒めもします。それと途中一回餃子を作って、それからはしばらく餃子が出てきます。その餃子を25個も食べた人がいました。バターとグリンピースの炊き込みご飯は何回か出てきてからはあまり食べていませんでしたが美味しそうなのでやってみたいです。もうすぐ春なのでちょうどいいです(グリンピースは鹿児島産が多い気がしてます)。その日の買い物の中身を見ると「あ、また餃子やるな」とか「最近やたら手羽食ってるな」とか思います。余計なお世話ですけど、毎日ご飯を作る人間にはそのようなことが起こるものなのです。一時お好み焼きや焼きそばをよく食べる時期があったのですが、それらに武田さんは桜海老を入れています。私も最近はお好み焼きには桜海老を入れるようにしていて、それは旨いと思います。それはさておき、ある日武田さんちの桜海老がカビていたそうで、武田さんはそれに熱湯をかけてまた干しました。そしてそれを食べました。私はカビが生えた桜海老をそのように復活させることが出来るとは知りませんでしたのでとても勉強になりました。また、武田さんの山の暮らしに関わる人々の話も大変面白く、モグラのたたき方とか実益はなさそうだけど勉強になりました。昔うちの庭にモグラがいまして、猫が捕まえたことがあるのですが、庭に変な動物の遺体が横たわっていて妙な気分にさせられあまり猫をほめませんでした。しかしその時の猫は凄かったのだなと今になって感心しています。なぜなら話によるとモグラは凄い速さで地中を進んでいるとのことだったからです。面白いねモグラ。

気に入っている「うに」の出てくるメニューを1つ抜粋

昭和41年5月4日(水)晴
朝 ごはん、牛肉大和煮、のり、卵、うに。湯豆腐の残りにケチャップを入れる(泰淳発案百合子反対、私は食べない)。


食べ物のこと以外も素敵満載な本なのですが、なんだか収集が付いてないことに気付いたので今日はこれでおしまいにします。


追記
この下 ↓ にアマゾンのリンクで冷凍生うにとか出るみたいだけどこういうのじゃないよ!!このリンクはコントロール不能なのかな。

追々記
書くか書かないか迷ったのですが、自慢なので書かせてもらいますと、今までの人生で1度だけ「武田百合子みたいだね」といわれたことがあり、武田百合子ファンの皆様には申し訳ないですが、そういわれたということは事実でして、自分としては当時は心当る節はない上に、武田さんはとても素敵な方なので、まあお世辞だろうと思ったり、もし本気だったらと考えて恐縮したりしていたのですが、この本の最後の方で武田さんが釜あげうどんを熱心に食べた際に旦那様が「バケネコのように食べていた」と形容されるのですが、それで納得しました。この点大変心当たりがあります。そのことを指摘したのではないとしても、お互いその感じが何かしらかに滲み出ているのかもしれません。バケネコにより大変に親近感を持ちました。

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雑記書手紹介

松島
横浜生まれ横浜育ち
鉄割の制作担当。食べたり飲んだり旅行したりしている。
ふと目を離すと何か食べている。

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