07年02月11日(日)
 用あって京都へ一泊二日。



 いい年こいて、東海道新幹線に乗るのが初めてだな、と思っていると、いや実は乗ったことが過去にあるのではないか、と思い始めたりして、そんなのもわからん程本当いい年こいたんだなと思った。



 その線道中の行き帰りで、似たような光景を目にした。東海道新幹線に初めて(多分)乗って、その往復で似たような場面に出くわすということは(例えそれが偶然でも)、2回中2度、2分の2で、2打数2安打、10割(そば)の、百パー(多分初めてだから、多分百パー、約100%)、ではないかと思った。



 その原風景とは、ただ、女性の化粧する姿態であった。行きは、メタボリック児童を連れたご婦人(別名:子連れ女狼)。帰りは、背の中をV字に露出補正した熟女未満(別名:特になし)。女性が化粧するのは、歴史的にも至極当然(好みとしては、しようがしまいが女の人は皆好きなので関係ない)で、別段気に留めて何ボなのだが、彼女らの、その化粧への集中というか、執着が過多で、目ざるを得なかった。



 想像して御覧。



 行きの、子連れ女狼は連休を利用して、単身赴任中の男狼(もはや彼は狼で失くなっている可能性あり。牙の抜かれた狼。違う、狼ですら無くなっているのだ、一匹狼なぞ愚言)への、久しぶりの再会、逢瀬、愛の確認、中高年の性、逆シンデレラエクスプレスなのである。



 一方、帰り便の女豹は、総合職のキャリアなウーマンリブが日々の激務の中、やっとプロジェクトの区切りが見えたので、思い切って連休を利用して(またも連休利用者、想像力の欠如・安寧)、学生時代からの、勿論テニスサークル「椿」で、部長副部長で、皆が羨むハマショーカップル、言ってみれば、サークルは学校公認、カップルは学生公認という、公認中の公認、Two of us、Two of themの二人。そんなたくましんの彼は、今更更更ヘアーの証券マン。女豹は、突然部屋行き、慣れない手つきで煮物を作って彼の帰りを待ち、手料理をアンティパストantipastに、己の滾る体をプリモピアットprimo piattoに、夜明けのカッフェcaffeをドルチェdolceに、朝まで続くディナータイム、名もなき世田谷のリストランテの夜・・・



 何事も一生懸命にすることが美徳とされる風潮に異を唱える気は全くないが、哀愁といえば聞こえも良かろうその姿に、悪い意味で胸打たれた。本当いい年こいた。



 喫煙車は、パチンコ屋の臭いがした。

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雑記書手紹介

内倉憲二
東京生まれ(三多摩育ち)
鉄割の役者担当。もろもろな条件をこなしてくれる。
低音ボイスで、演目のストーリーテーラ的な役割をこなす。
血にまみれたり、目が見えなくなったり、
時代、役柄、関係なく縦横無尽、そして声がいい。

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