02年11月01日(金)
学園祭のシーズンである。
図らずも学生時代、学園祭というものに参加したことがある。
しかし、出店には全く協力せず、学生プロレスを観てたのと、プロレスラーの公演会を聞いてたことしか、記憶にない。前田日明VSアンドレ・ザ・ジャイアントの無修正裏動画もこの時に初めて見た。本当それぐらいしか覚えてない程、学園祭とはプロレスだった。
そもそも何故、店を出す様なサークルに入会したのかも不明。



明日から、3年ぶりの学園祭公演。場所は、多摩美術大学。
3年前のお祭り騒ぎが復活するのか。
いつになく頻繁に交わした盃の成果は出るのか。
あいつもこいつも本当に成就するのか。


いつも通りだろ。
02年11月02日(土)
初日。
思ったより山の中の図書館の一室は、どっちが客で、どっちがやるものか区別がつかないほど、いい空間。パースペクティブ。美大幻想も吹っ飛ぶほど。



昼の公演というのは、いわば巨人でいう北海道シリーズだろうか。未来の四番を期待された吉村の事故。デーゲームというのは、ナイターに慣れた身体には非常に堪えた。



もちろん終わるのも早く、マラソン飲会。恋の話もそろそろか。子供と台湾。
02年11月03日(日)
多摩美と渋さ知らズのダブルヘッダー。

多摩美

玄海


僭越


たおやか


恋するメガネ


渋さ知らズ



四千円飲んだ。
02年11月04日(月)
本日も晴天。三日間天候に恵まれる。寒かったけど。
敷地が広いせいか、祭り自体は長閑な印象。

三日間で一番の大入り。
そして新メンバーの加入。ハリウッドを目指す兄に対し、アンチハリウッド感が漂う好青年である。
中座危うし。



そして、今回呼んでくだっすって尽力を尽くしていただいた、多摩美大の方々に大変感謝。

三ヶ月に渡るツアーを締めくくる打ち上げ。
帰り際メガネに「あでぃがどおぅ、ごだいますぃ、だ」と便器前で言われた。


さ、次は宮永。
02年11月05日(火)
運良く、午前の暇をいいことに、木偶の坊として過ごした。

いいかげん、そろそろの荷造りに取り掛かるも、CDと本の選別で、朝方。
02年11月06日(水)
大駱駝鑑「泥芸者」を鑑賞。
向雲太郎氏のユーモアで飾られたpessimismに感服。



夜、別件で、三軒茶屋の韓国料理屋「おこげ」にて、食事・話ともに辛口を味わう。
阿呆が見る豚のケツ。封印。
02年11月07日(木)
朝方目が覚めてみると、風呂場の洗い場。しかも、目の下に覚えのない傷。
ここのところ、風呂場で寝る癖がついてきた。

初対面の方々の家へけじめ付けがてら、ビールを飲みに伺った。
淡々と、飽きずに、派手でなく、過ごすことが出来た。
親戚へ。
02年11月08日(金)
曇空がつまらない寒さを一層引き立ててる午後、国会議事堂前で信号待ちしてる間、そこから程なく離れた付近で、議事堂を背に、写真を撮られてるカップル、カメラを向ける初老男性を見かけた。

カップルが東京の思い出に、初老男性に声をかけ、記念写真を撮ってもらってるのだろう、何てことない風景と踏んでいたが、一枚撮り終わると、初老男性はカップルの男性と換わり、二人、写真を撮られ、次にカップルの男性はカップルの女性と換わり、二人、写真を撮られていた。つまり、三人での東京観光のようであった。これも、これといってよくある風景なのだが、陽気な父親(初老の男性)・きびきび動く息子・つとめて明るい嫁ら(仮定)には、全くといっていいほど嫌味がなく、ささやかな幸せがあった。

その後、三人は白い商用車のようなライトバンに乗り込み、議事堂をあとにした。
次は、何処へ向かったのだろうか。どんな会話をしてるのだろうか。三人で何を食べるのだろうか。

なんとなく気になった。
02年11月09日(土)
産まれて初めてハンコやらで契約をした。
なんだかあっさりしたものだった。大金の飛び方も至極あっさりしてた。

丸一日手配段取り搬出搬入で午前四時まで。
風邪も悪化気味。だるい
02年11月10日(日)
早めに起床し、大詰め荷積め。
早々に三十年住み慣れた我が家にさようなら。
家を出るのはこの十年で三度目だが、前二回は惰性的受動的出奔的な感が強く、それはそれでいい思い出だが、今回はあくまで能動的なものだ。なんてったって一年半の悲願命題だったわけで。
お世話になった近所のおばさんの涙には誘われそうになった。

出発し、完璧に組んだはずの段取りが、ガス台を忘れたことで崩れた。
急遽購入。待ち合せに遅刻。お詫び。

総勢十人クラスの友人が手伝いに集まってくれた。渡部を除き。
なんだかとても感動してた。
あっという間に搬入完了。
お手伝いの方々、本当に感謝。
滞ってる買い物組ですら、感謝。
渡部を除き。

そんな彼らにしてあげられることは、ささやかな宴会。
積年の思いと、感謝と、風邪と、疲れと、友人らに感激したのと、自分の家に友人が大勢いる不思議さと、自主解禁の泡盛で、皆の話を枕に一人寝。
お見送りすらできず、撃沈。醜態。みたい。
申し訳ない。

搬入搬出買物掃除調理後片付け電子レンジ土鍋掃除機アンプ冷蔵庫洗濯機炊飯器ブロック配線ゴン太君オペル布団運び風邪気味メガネ。
本当ありがとうございました。

次は誰の番だ。
02年11月11日(月)
気づいたら朝。
起きて五度吐き、通勤途中、植込みに五度吐く。
咳が悪化。

浮遊感。
胃が空っぽになると足取り軽く思うのは気のせいか。

コンソメ風味のロールキャベツ。
02年11月12日(火)
新しい街で、おそらく唯一の古本屋に立ち寄ってみた。
古本屋に行くととても落ち着く。しかしどんな古本屋でもいいかと言われれば、そうではなく、品揃えも重要だが、ただ沢山ありゃいいってもんでもなく、やはり雰囲気か趣味か。本を探すときの高揚感と何故か沸き起こる放尿感を味わいながら、いつまででもいたくなるような店が、とてもいい。店主は無愛想で構わない。時々、「こんな本がこんなお値打ちでえ」の時の一目惚れ出会い優越感独占欲支配者面は、比類がない。以前住んでいた街の駅前の古本屋は、ポール・オースターの単行本が三冊200円の一翼を担っていたりして、感動させてもらったが、この街はどうだろうか。

都合上時間が限られていたので、隈なく視ることは叶わなかったが、造りはさほど広くなく、本自体は雑多に配置され、文庫単行本が多くなく、専門書は多く、それでいて品揃えの趣味が、好みに合いそうな店だった。コンパで言えば、見た目どうこうより、話してみて、感じがよくて、少し気になり、もう一度会ってみたいような異性のような。足繁く通うはず。

本なんて所詮本だろ。
02年11月13日(水)
ランチタイムにアーバンなカフェで、メガネと今後のメディア戦略をディスカッションしながら、パスタを食った。



結局、恋愛話に終始。
02年11月14日(木)
石神井から飢えた男の子が、コーヒーメーカータイプのCDプレーヤーを持参するも、破損し使えず。

彼がとても恥ずかしがり屋だと判明。
02年11月15日(金)
500円玉が頭から飛び出す女性と、出過ぎない女性に囲まれ、俳句を詠みながら、鍋つつき。


02年11月16日(土)
チキンカレーを作ってみたら、辛くてとても美味かった。
あまりに上手にできたので、毒舌を売り物にしているメガネの評論家風情とワイン泥棒を招いた。だが、メガネは評論など一切せず、ワイン泥棒の技術に感心するか、自分の話ばかりしてた。

一方、そのテクニックをまざまざと見せつけた泥棒のほうは、これからはおでん等の和食人に転向を望んでおり、それがうまくいってもいかずとも泥棒稼業からは撤退するようだ。

夜中にメガネから、「なかなか美味かったぞ」と人づてに連絡が入った。
どいつもこいつも恥ずかしがり屋ばかりだ。


02年11月17日(日)
九州場所中日。
朝青龍と高見盛の取り組み。全勝の勢いそのままに、朝青龍が圧勝したのだが、突き出されて倒された高見盛は、手を差し伸べる朝青龍に対して、立たせてもらって、悪びれず、深々と頭を下げる姿は、潔く儚く哀切であった。


02年11月18日(月)
鉄割アイドルでお馴染みの、キリンちゃんこと伊藤さんが来訪しました。


お母様譲りの、秋田風じゃが芋オクラ鶏肉卵とじ煮込みと餃子入りスープを振舞ってくれました。うまかった。


お酒は何でも好きだそうです。


煙草なんて吸って悪い子です。


風呂に入りました。自分の娘かと思いました。


炬燵で鼾を掻いてに眠ってしまいした。


さて、どんな夢を見ているのでしょう。
02年11月19日(火)
引越し祝いに、友人から「チャイニーズブッキーを殺した男」のソフトを頂いたので観た。観るのは5年ぶりだったが、やはり主演のベン・ギャザラは、とても素敵な俳優だと思った。派手じゃなくて。色気とかじゃなくて。だるさ。気だるい。また、名前が素敵だ。ベンなんて。CM不採用で落ち込んでる場合じゃないぞ、ベンゾウ・サクラバ。

ベン・ギャザラ


ベンゾウ・サクラバ

02年11月20日(水)
久方ぶりに腰痛発症。咳きするだけで痛い。夜に悪化の一途。

心の病も身体の病も、多分、気から。
02年11月21日(木)
株主優待券で「Dolls」を観た。
北野武が監督という印象が拭えず、誰が監督だったか知らない状況で観たら、いいに違いないと思わせる映画だった。まあ、北野武が監督だったから観にいったんだけど。硬質な型紙のような。
02年11月22日(金)
先週に引き続き、白菜村の人達と鍋つつき。
02年11月23日(土)
引っ越したおかげで、終電車を気にする必要が減った。よって、気兼ねなく、他所で鍋食ったり、ビール飲んだり、ラム酒飲んだり、泡盛飲んだり、ウイスキー飲んだり、コーヒー飲んだり出来るのだが、寝入ってしまっては元も子もなく。朝。
02年11月24日(日)
酒抜けもままならず、公園をほっつき歩き、一駅分離れた、激安と名高い、スーパーマーケットへ行った。入店早々、ワインを試飲し、胃が暴れた。日曜だけに人出も尋常じゃなく、品揃えの多種多様に目もくれることなく退散する日曜日。
02年11月25日(月)
夜、介護のプロがやって来て、見事に皿を洗いのけてみせた。寝たり寝なかったり。
02年11月26日(火)
時間潰しに、大型ビデオレンタルショップに行ってみたら、メガネをかけた猫背の男に声をかけられた。どこか見覚えのある顔だったが、全く思い出せず、そんな気持ちも露知らないその男が言うには、「僕は、無料ならビデオなんて借りないよ」やら「ビデオなんて全然観たくないよ」など、とても場にそぐわない発言を連発し、「じゃあ、何で君はここにいて、『マルホランド・ドライブ』のビデオテープを持ってるの?」と親心で尋ねると、完全無視して「僕の今の気持ちはこれですよ」と『愛情萬歳』のビデオテープを寄越してきた。そういうわけで『愛情萬歳』を観た。



その彼とは関係なしに、いい映画でした。いい意味で90年代とでもいうか。静かなようで全く静かじゃなくて。

無理やり彼と関連づけるのならば、好きな女性が自分の知人とSEXしているベッドの下で、マスターベーションする男などが、彼が言わんとしてるところかなと思いました。
02年11月27日(水)
新世界と旧世界を行ったりきたりするかのように’80〜00年代アイドル音楽ダンスDVDを鍋をつつきながら鑑賞。目新しさと懐かしさがこみ上げてきて、生まれ変わったりしたら、もっと素直に踊りってもんに向き合おうと思った。「マンションッマンション!!」って。
02年11月28日(木)
休み明けのGHQ男が鼻水垂らしながらやって来て、「うまい、うまい」とおかずを残し、「恋愛とは、表現の自由すら奪うのよ」と力説するわりに、何の確かなものがないままに「寒い、寒い」と言いながら奪うだけ奪って去っていった。フトコロはあったけえはずのに。見返りに乞うご期待。

これも検閲されてんだろうな。
02年11月29日(金)
ジャガイモを、購入したての皮むき器で調子よく剥いてたところ、左手の親指の皮も剥いた。血が止まらないので、ご近所様の手を借り、外科病院まで徒歩とタクシーで参上。あからさまに年下の外科医に、竹串のような麻酔を二本打たれ、六針。

酒抜きの鍋食らう。
02年11月30日(土)
治療の為、再度病院へ。初めて縫合跡を見たら、指の腹から剛毛が生えてる様。憎たらしいほど順調な回復の様。アルコール摂取より煙草摂含の方が回復が遅れる模様の様。肉と酒。ストレス解消話を聞いて、ストレスを解消。

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雑記書手紹介

内倉憲二
東京生まれ(三多摩育ち)
鉄割の役者担当。もろもろな条件をこなしてくれる。
低音ボイスで、演目のストーリーテーラ的な役割をこなす。
血にまみれたり、目が見えなくなったり、
時代、役柄、関係なく縦横無尽、そして声がいい。

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