07年01月06日(土)
僕はつくづくクラシックの良さを伝えるのが下手だと思いました。
結局、僕が書くとブラームスの交響曲第4番の第4楽章が良いから聞いてください、という風になってしまうからです。
でもそれでいいと思います。
坂本龍一が言葉で伝えられるのなら作曲などしないと言っていましたし、文学的に書いても不完全にしか伝えられないのでかえって誤解を生んでしまう恐れがあるからです。

「音楽は哲学以上に高い神の啓示である。」{ベートーヴェン}

哲学は言葉なので・・・。

ここで指揮者の朝比奈隆がベートーヴェンの交響曲第6番「田園」について語っている言葉を引用したいと思います。

「これは題がいけません。田園なんていう、のんきなシンフォニーじゃありませんよ。田園へ着いた時の愉しい感情の目覚めとか色んな注釈が楽章についていますが、あれはベートーヴェンが本当に題のつもりで書いたのか、なんとなくメモ、心覚えみたいなものだったんじゃないでしょうか。
あの題のおかげでなにか音楽の捉え方が甘くなるし、すっと弾いたらいいなんて考え方がでてきてしまう。」
07年01月09日(火)
僕がクラシックを聞いた時、何を感じるかということを文学的に表してみると、突然、眼前にアルプスやケルン大聖堂などが現れた感じとか、ヨーロッパの海に面している崖の上の草原をまだ薄暗い中、風に吹かれて歩いているような感じや、雲が朝日や夕日を浴びて神々しく見える時や、老人が昔の事を思い出しながら椅子にもたれて夕日を浴びながら感慨に耽っているような感じとか、神の全能を讃えている感じなどです。
あと霊的、宇宙的なものも感じることがあります。

それと性欲など強く感じて自己嫌悪に陥っているときなどにクラシックを聞くと禊ぎをしたみたいに清々しい気分になれる時があります。
07年01月15日(月)
カール・シューリヒトがウィーンフィルハーモニーを率いて1956年にニューヨークで行った演奏会がCD化された。それだけでもうれしいのに海外版なので980円だった。
さすがアメリカ1956年録音でも音が良かった。まず最初はベートーヴェンのエグモント序曲。久しぶりに鳥肌が立った。次のモーツァルト、交響曲第35番「ハフナー」。凡百の指揮者よりは良かったが一番印象が薄かった。
そしてベートーヴェンの交響曲第7番。これは昔から演奏がすごいと話には聞いていたが録音があるとは知りませんでした。
表現はカルロス・クライバーに似ていたがクライバーほど軽くなく、それを大きく超えた至芸。また鳥肌。

北アメリカ演奏会のエピソードとしてはカナダで演奏会の会場で編み物をしていたおばあさんがシューリヒト指揮のブルックナーの交響曲第7番の第2楽章のアダージョで編み物をやめて曲に聞き入っていたのですがホールの係員の話だと編み物をやめた事が今まで一度もなかったのにやめたというのは奇跡だと話していたという逸話が残っています。
07年01月23日(火)
クナッパーツブッシュ指揮のブラームス交響曲第4番、ケルン放送交響楽団の演奏を聴いた。
全楽章すべてが良かったが、特に第4楽章は魂の咆哮がすごい。
ある評論家がフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュがいいという人は自分の思い通りに指揮してくれるからだと言っていましたが、僕はこの演奏からそれを感じました。
第1楽章の盛り上がるところとか最後のたたみかけ、第2楽章の最後の思い切りうたわすところとか第3楽章の巨大ぶり、第4楽章のコーダの踏み込む感じやスローテンポ。よくぞやってくれたと思いました。

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雑記書手紹介

中島教知
神奈川県生まれ(育ちなし)
鉄割の弟。説明できる範囲とできない範囲の境目にいる。
青春時代というものがスッポリ抜けているので、現在無理矢理青春を謳歌させられている。
鉄割では、できそこない担当(悲しいかな最近できてきてる)

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