モロッコに行ってました。三週間行ってました。

駱駝眺めたり、大道芸を見たり、地元マフィアの親分みたいのと踊ったり、歯の無い馬鹿に泣きながら追いかけられたり、砂漠を一人で歩き回ったり、娼婦（買ってないよ）に蹴られたり、やり手ババアにビール奢らせられたり、オランダの長距離トラックの運転手と飲んだり、お菓子屋のお兄ちゃんと友達になってお菓子作り見せてもらったり、地元グナワ楽団とモロッコ人の結婚式出たり（凄いの夜九時から朝の六時まで、踊って騒いで、皆、ミントティーでトランス状態）、地元漁師の音楽サロンに通ったり、ウイリアム・バロウズが裸のランチを書いてた宿行ったり、ハマムサウナに行ったり、スペイン人の娘と街を散策したり、セネガル人に踊り教わったり、ジャンキーに絡まれたらセネガル人がいきなり豹みたいになって助けてくれたり、一人で飯を食べてたらスイス人の家族が一緒に食べようと卓を囲んだり。絨毯屋でミントティー飲んでたり。まだまだ思い出が沢山あるのですが、書ききれません。しかし本当皆優しくて、いい奴等と沢山出会いました。思い返すだけでも、泣きそうになってしまいます。自分は、どちらかといえば性悪説を信じてたけど、性善説の方に完璧変った。だからもっと人に優しくしなくちゃと思った。十五年位前は、よく一人旅をしてましたが、今回は本当久しぶりで、昔みたいに、どんどこ潜入してったり、屈託なく人に会っていくのは、自分にはもう無理なのかもしれないと、思っていたのですが、フタを開けたら、なんか膨大な人間と会て、仲良くなった。タンジールって港町があって、その街は、悪い奴も一杯いるんだけど、良い奴も一杯いて、本気で三ヶ月くらい住めないものだろうかと考えてる。

で、日本に帰ってきて、明日はトウキョウワンダーサイトでOnnaCodomoとちょこっと公演して、久しぶりの鉄割です。んでももって五月はリトルモア地下公演です。

それで、来週なんですが、四月二十五日（土）浅草のトライバルビレッジで、雷門の前にあった「がらん伽藍」というジャズバーのマスターであった里井とジャズを聴こうって会があります。僕が里井さんの話し相手をしながら、里井さん秘蔵のレコードを聴こうって地味な感じの会なのですが、里井さん、本当に面白い方で、「最近では男がブラジャーする」とか「俺はネット通販でパンツを買う（デパートは過激な下着が多い）」とか「リハビリでプールに行って水中歩行してる」とか、わけわからない話を沢山してくれるので、里井さんに酒をどんどん注入しつつ、ジャズを聴きましょう、ジャズを好きになりたい方には、うってつけだと思いますし、たまに何言ってるのか、わからないところもありますが、里井さん本当面白いので、どうぞ皆様いらしてください。
一緒にジャズとお酒です。お待ちしております。
四月二十五日（土）19：00〜
浅草トライバルビレッジ
http://tv-asakusa.com/

先々週くらいは、モロッコのアルホセイマという、時期もあって観光客殆どいない漁港に滞在してまして、イワシは美味いし、人間も良いし、素晴らしい所だったのですが、滞在していたホテルで眠りながら、落語を聴いてたのです。多分移動とかいろいろあるから、ipodに落語を沢山仕込んでたのですが、そのときは、小三治の大工調べを聴いてたのです。したらば、まくらで、「江戸の人は、江戸っ子っていいますよね、大阪は、浪速っ子、沖縄は、縄っ子か？　なんて言わないね、北海道だと、どんさん子・・・あと、モロッコなんてのもあるね」というような事を小三治さん喋り出して・・・鳥肌立ちました、今現在、自分はモロッコに滞在していて、小三治の言葉から「モロッコ」なんて言葉が出てきて、得体の知れない幸福を感じた、なんの役にも立たない、誰にも伝わらない幸福、んでもって、嬉しくて、驚いて、鳥肌立って。このような、ミラクルなことをipodは突然やってのけるんだよなと、ipod握りしめちました。そして小三治さんありがとう。

そして、そんなミラクルipodイヤホン耳突っ込んで一人ほくそ笑むではなく、大きな音で、ジャズマスターとジャズを聴きましょうってのが、浅草で執り行われます。ジャズマスターはがらん（伽藍）というジャズバーをやっていた里井さん。僕は一応聞き役なのですが、里井さんの話とても面白いので、ここでもなにか面白ミラクルが起きるかも知れませんので、どうぞいらしてくださいませ。

マスターとジャズを聴いてみよう
四月二十五日（土）19：00〜
場所・浅草トライバルビレッジ
http://tv-asakusa.com/