
05年10月13日(木)
大根の引っ越し手伝ったら、段ボール箱、一つ渡されて、「これアンタの本」と言われ、家に持って帰って開けてみたら、読んでもないのに無くなってしまってた本とかが大量に出てきた、そして、前に、己で流行った、車谷長吉の漂流物
をぱらぱら読んでみた。これはもう、とんでもなく面白い! 特に本の表題にもなってる漂流物、カミユの異邦人だっけ? あれを彷彿させるのですが、どことなく全部が日本的で、これ、この土地に生れて、この土地の匂いをかいできたものしかわからんよなって話、多分、異邦人も舞台がアルジェリアかそこいらだったと思うけど、僕等は、そこの匂いとか空気を、完全にしってるわけじゃないから、わからないところもあるんだけど、この漂流物は凄いよ、それを全部、にっぽん的に置き換えてるような、でも、置き換えてるんじゃなくて、ゼロから始まってるのであって、とにかくおもしろい、そして、とてつもなく、やるせなくなる、寂しくなった、やるせなあ、こんな小説家が同時代に生きてるなって、奇跡なんじゃないの、全く。そして、無断で読んで無い本を持っていって、とっても良いタイミングで返してくれて、読む機会を与えてくれた大根君に感謝。嫌みじゃなくて、時期だもの、買ったときに読んでたら、今のこの気分の感動はなかったかもしれません。