02年06月05日(水)
トゥーム・レイダー」と「ロード・トゥ・ヘブン」という、二本のおっぱい映画を観る。

ロード・トゥ・ヘブンは、ジャニス・ウッズ・ウィンドルの「True Women」が原作の、アラモの戦い以降の約50年のアメリカ南部を描いた歴史映画(正確に言えば、連続テレビドラマ)です。
この映画が、あまたある他のアメリカンヒストリカルムービーと異なるのは、主人公が全員女性という点で、物語の中でユフェミアが「ヒューストン将軍のことは誰もが知っているのに、2000人の女性を救ったサラ叔母さんのことは誰も知らない。私たちの知っている歴史は男が書いたものよ。私はいつか、サラ叔母さんのことを歴史に書くわ」と言っていた台詞そのままに、すべてが女性を中心に描かれています。
作品自体は、日本で言えば大河ドラマか連続テレビ小説のようなものなので、その時代が好きな人や、少し強引にジェンダー的な見方をする人や、出演している俳優のファンでなければ全然面白くないと思います。

この原作の「True Women」を書いたジャニス・ウッド・ウィンドルについて、ぼくは名前すらも知らなかったのでWebで調べてみたところ、下のサイトを見つけました。

About Janice Woods Windle

ジャニス・ウッド・ウィンドルは、テキサスに生まれ、サン・アントニオとゴンザレスのちょうど中間にある、セギーンという歴史的に由緒のある町で育ちました。
オースティンにあるテキサス大学に入学し、そこで現在の夫ウエィン・ウィンドルと出会い結婚、テキサス州の西境、エルパスに移り住みます。
そこで三人の子供を育てる傍ら、リンドン・ベインズ・ジョンソンの再選キャンペーンに協力したり、地域の二百年祭を取り仕切ったり、はたまたエルパソ・コミュニティー財団創立以来の会長を努め、財団の成長に大きく貢献したりと、大活躍をします。
1985年に彼女の長男が婚約すると、ジャニスは彼女の家系に伝わるレシピを長男夫妻にプレゼントするために、セギーンに住む母親のもとに通いつめて、彼女の親類や友達にインタビューを開始します。
レシピには、そのレシピに関係する女性の人生を、数行付け加える予定でした。

家系に関するリサーチは、当初の思惑を超えて10年に渡り、そのリサーチをもとに小説化したものがこの「True Women」です。

原作は、アラモの戦い以降、第二次世界大戦前までを描いていますが、映画ではそこまでは描かれていません。
19世紀後半、ユフェミアとジョージアが女性の参政権を求めて議会で演説をし、その後ジョージアが亡くなるまでが舞台となっています。
(実際にアメリカで女性が参政権を得るのは1920年代ですから、ジャニスの先祖はその礎を気付いたことになります。)

「True Women」を書き終えたジャニスは、以下のようの言っています。
(参考)
(家系の女性の歴史を)リサーチし、True Womenを書くのに何年も費やした後に、私はテキサスを築き上げるのに貢献した女性達を讚えるための記念碑がまったく存在しないことを知り、がっかりした。
アラモは、戦い、そして死んでいった男達の勇気を讚えるために、テキサス共和国の娘達によって復旧され、保護されている。
サンジャシント記念碑は、私たちが自由を勝ち取った場所に誇らしげに建っている。
けれども、逃亡中の苦境の中でで自分たちの家族を守った女性達の強さと勇気を称賛するものは、聖堂も、銅像も、神聖な場所も、まったく何もない。
テキサス共和国にいた英雄的女性達を褒め称える遺跡も、痕跡も、まったく存在しない。
そう、もちろん何年も残存してきた彼女達の家を除いては。
映画にしても小説にしても、物語にとってのジェンダー的視点やポストコロニアル的視点というものは、ある立場からすれば今でも必要な視点だと思うし、それを否定をするつもりは全然ないのですが、ここに来て今まで通りの画一的な語り口を用いてそれを語っても白けるだけだと思うのです。
伝えるべき問題も伝わらないし、語るべき物語も語り尽くせなくなってしまいます。
語りの手法、視点をもっと新しいものに変えたら、全然おもしろくなるとは思うのですけどね。
おちんちんの長い奥村君が、朝起きたら黒人になっていて、しかも巨乳になっていて満足した、とか。
そこら辺はスティーブ・エリクソンとかの出番なのかな。よく分からないけど。

それから、著者自身による家系の物語という形式も、一歩間違えれば単なる自慢に過ぎない退屈な物語に、っていうか寒くなってしまうと思うのですが、この「True Woman」は映画で観る限りそこら辺が微妙でした。
その点、同じ「Family Story」である、チンコ・マンコではなくてクンタ・キンテでおなじみ、アレックス・ヘイリーの「ルーツ」は、小説も映像もどちらもおもしろかったなあ。
この種の形式での著者自身の家系物語は、「ルーツ」で終わるべきだったのではないのかなとか、思ってしまいます。

それにしてもアンジェリーナ・ジョリー
ぼくはこの人がとても好きなのですが、どうしてもマカロニほうれん草のきんどーさんに見えて仕方がありません。
どれだけ一生懸命にシリアスな演技をしていても、おかしさが漂っていて、ついつい微笑んでしまいます。

コメディをやればいいのに。

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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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