05年05月16日(月)

 九州旅行二日目です。

 本日は、昨日にもまして登りまくります。阿蘇の北、湯布院近くの温泉まで走ります。予定では、行程100km。距離的には余裕だけど、問題は坂道です。

 国道208号線を東に直進、ただひたすらに走り続けます。30号線に入ったあたりから道がよい感じになってきて、49号線に入ると、ただ道だけが続きます。時おりすれ違う車、農業をしている人々、牛、馬、それ以外にはただ道だけが続きます。最高です。暑いけど、その暑さすら心地よい。

 23号線に入ると、一気に登り坂になります。二重ノ峠に向かって、急勾配を登ります。失敗したことに、峠に入る前にペットボトルのジュースを買うのを忘れていました。峠が始まると、自動販売機なんてぜんぜんありません。太陽はじりじり、汗はだくだく、喉はからから。なのにどうしてこんなに気持ちが良いのだろう。まだまだ余裕があるみたいです。

 二重ノ峠、登頂です。涌き水を飲んで日焼けした両腕を冷やして、少し休んで再び出発。

 赤水から149号線に入り、途中にコスモスロードとかいう道路に入ります。これが間違いでした。向かい風が強過ぎて、ぜんぜんスピードがでません。坂道は好きだけど、向かい風は苦手です。ゆっくりゆっくり進みます。

 途中、自動販売機でお茶を買って、田んぼのそばで一休み。旅館の女中さんが握ってくれたおにぎりを食べます。これが死ぬほどおいしい。

 砂漠のようなコスモスロードを過ぎて、212号線に入ります。とうとう本日の最難関、大観望へ向かいます。二重ノ峠と比べると、陽射しがきつくないぶんには楽ですが、勾配率はこちらの方が(たぶん)上です。ウータン・クランを聞きながら、ゆっくりと登り坂に挑みます。見上げると坂、坂、坂。

 死ぬほどつらい大観望をすぎると、下り坂が始まります。ここからは、長閑でとてもよい道です。小国まではこんな感じでゆるやかな道が続くはず。途中、「そば街道入口」という看板を見付け、脇道に入りました。そこから先はまるで桃源郷、牛が放牧されていて、道はただひたすらまっすぐに。牛の目が、死んだぼくのおじいちゃんにそっくりなことが気にはなりましたが、最高のサイクリングを楽しみます。

「そば街道」ですから、もちろんお蕎麦やさんもあります。雑多にお店が並んでいるのではなく、森の中にぽつんぽつんと蕎麦屋があるのです。これは、寄らないわけにはいきません。お客さんはぼくひとりなので、汗だくでもあまり気にせずに済みました。とてもおいしい古蕎麦をいただきました。写真を撮るのも、まわりを気にしないすみました。

 ここから先は、森の間を抜けて、村の間を抜けて、下り坂が続きます。観光するようなところはほとんどありませんが、風景がすばらしいので、走っているだけでも全然あきません。自転車の速度でないと、こんなふうに景色を味わうことはできないと思います。車でもバイクでも味わうことのできない楽しみ。自転車で来てよかったー!

 小国町を抜けて、坂道を連続連続連続連続して登りきると、本日の温泉宿、はげの湯温泉に到着です。下から見上げると、至るところから湯煙が立っています。つげ義春氏の描いたこの温泉地の絵に惚れて、ここまでやってきたわけですが、予想通りなかなかいい感じの温泉地。最後の最後にとんでもなく急な坂道が現れますが、目の前の湯煙をみていると、勾配もなんのその、ぐんぐんとペダルを踏むことができます。ようやく到着。おつかれさまでした。

 ぼくの泊まった温泉宿は、はげの湯温泉地の一番上に位置する場所にありました。到着してすぐに露天風呂へ。西の空に沈んで行く夕日を観ながら、ゆっくりと温泉に浸かります。ただし、両手は日焼けでひりひりしていて、温泉に入れることができません。バンザイしながら夕日を眺め、まどろみます。

 夕食を食べたあとは、昨日と同様に足湯に浸かりながら読書をしました。この、足湯読書ははまりますね。すごく集中することができます。家の近所に足湯場があったら、毎日通いたいぐらい。

 部屋に戻ると、またばたんできゅーとおやすみなさい。明日は臼杵へ向かいます。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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