03年07月25日(金)
僕が一番最初にはまった曲は、マ−ラ−の交響曲第7番である。
すこしクラシック通の人が聞いたらおかしいとおもうでしょう。第7番は第6番といっしょであまり人気がありません。本とかでも省略されています。
でも僕は第6番と含めて大好きです。第7番は「夜の歌」といいます。チェコで初演された時は、失敗しました。いままで陰鬱だったのに、急に盛り上がるのが形式的におかしいというのが理由です。(そこがいいのに・・・)
マ−ラ−の家の近くにオ−ストリア軍が駐屯していたのでマ−ラ−は軍隊調を好みます。それが第1楽章の終わりにでてくるのがたまりません。第1楽章の主題はマ−ラ−がボ−トに乗ってる時に思いついたものです。第4楽章のツィタ−(?)という楽器を使った懐古的な雰囲気がよいです。
そして最後に爆発的に盛り上がって始まる第5楽章。でも一番好きな理由はその独特な雰囲気です。
僕はその頃、不眠で、夜中に独特な雰囲気を楽しみました。


余談ですが、マ−ラ−はフロイトに強迫神経症という診断を受けてます。
03年07月20日(日)
僕はカ−ル・シュ−リヒト(1880年から1967年)という指揮者が大好きだ。(ホモじゃありません)
だがそれは彼が一番優れているということではない。シュ−リヒトはモ−ツァルトとブルックナ−を得意としたからである。
特にブルックナ−の9番、8番、7番で名演奏を残したからである。演奏が終わったあと、シュ−リヒトと楽員達がひとりひとり抱き合ったという8番、指揮者はいいが楽団(ハ−グフィルハ−モニ−)や録音が2流と呼ばれてもブルックナ−の本質を掴んでいる7番、どれも最高である。
8番はクナッパ−ツブッシュがあるから迷いますが、クナは残響が全然ないので、僕はシュ−リヒトをとります。
でも僕が一番感動したのは、クナッパ−ツブッシュのブルックナ−8番です。なんで変わってしまったのかはわかりません。
よくシュ−リヒトはスケ−ルが小さい指揮者といわれていますが、極上のニュアンス、枯淡の境地を示しており、水墨画のように、飄々と指揮します。 
小澤征爾が書いた本の中で
「日本であまり名を聞かない人の中に、カ−ルシュ−リヒトという80歳を超えているかと思われる、老指揮者がいる。この人は捧を振る代わりに、ぎょろりと鋭い目を向く。その眼力でオ−ケストラの人たちに音をださせるような変わった指揮をする。」
と書いています。
シュ−リヒトは言っています。
「私は都会というものには我慢ができません。人間とは神のなさることに満足しない忘恩の徒なのでしょうか。」まさにブルックナ−を指揮するのにぴったりの人柄だったといえます。
                          
                       
                                                                                                                                                                  
03年07月16日(水)
僕が一番好きな曲は、ブルックナ−交響曲第9番である。
この曲は、第4楽章作曲中に意識不明になり、ピアノから落ちて何日かして亡くなったので未完成である。
しかし未完成と称せられない理由は巨大な前の第3楽章で音楽的に完成しているためである。指揮者の朝比奈隆も、これで完成していると言ってます。
確かに天国的な浄福の境地の内に静かに終わるのもいいですが、でもブルックナ−の交響曲第9番はシュ−ベルトの交響曲第8番「未完成」とは違うのである。なぜならその後にシュ−ベルトは交響曲第9番を書いているからである。
それに比べるとブルックナ−は書いている途中で亡くなったのであって、そこが根本的に違うと思います。
ある評論家は「最終楽章は厳粛にして壮麗なる対位法の大伽藍となるはずだったという。どんなに光溢れる神々しい音楽であったか今は目を閉じて想像する他ない。」と書いています。
僕もそうおもいます。でも交響曲第9番は第1楽章の終わりの悲劇的な感じや一番最後の天国を思わせるような感じといい、良いです。
とにかく別世界に魂が連れ去られるような気がするのです。
僕が一番気に入っている交響曲第9番の演奏が入ったCDは  
1961年  カ−ルシュ−リヒト指揮  ウィ−ンフィルハ−モニ−管弦楽団  EMIクラシックス
です。

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雑記書手紹介

中島教知
神奈川県生まれ(育ちなし)
鉄割の弟。説明できる範囲とできない範囲の境目にいる。
青春時代というものがスッポリ抜けているので、現在無理矢理青春を謳歌させられている。
鉄割では、できそこない担当(悲しいかな最近できてきてる)

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