

続けて横臥の日。
今週号のAERAの表紙は、以前から読みたい読みたいと思っていた『単一民族神話の起源—「日本人」の自画像の系譜』の著者である小熊英二さん。なんとこの『単一民族神話〜』は、小熊氏の修士論文だそうです。びっくり。古本屋さんで安く買うつもりだったのですが、内容的にも非常に興味深いので、Amazonでクリック。
夕方、ようやく体調が戻ってきたので、お茶を飲みに駅前へ。本屋で松岡正剛氏の『遊学〈1〉』『遊学〈2〉
』を購入。142人の歴史上の巨人を、松岡氏独特の語り口と視点で捉えた人物譜だそうで。松岡氏とタモリの言語学的(?)対談集『コトバ・インターフェース
』も読んでみたいのだけど、絶版。古本屋でみつけましょう。

突然に発熱してしまい、終日横臥。
借りておいたビデオ、泉鏡花原作・坂東玉三郎監督『外科室』を観ました。昔、まだ田舎にいた頃に、テレビでこの『外科室』の特番(といっても五分程度のもの)を観て、小石川なる植物園での伯爵夫人(吉永小百合)と高峰(加藤雅也)が出会うシーンのあまりの美しさに深く感動した記憶があります。時を経て改めて観て思うのは、未だ鏡花を知らず、もちろん劇中に使われている曲がラフマニノフであることも知らなかった十年前のぼくの感動は、間違いなく現在のぼくに共通しているということで、成長していない自分が嬉しかったり悲しかったり。上京してから観た『天守物語
』も大好きな映画の一本ですが、坂東玉三郎の三本の映画の中ではやはりこの『外科室』が一番好きです。
ちなみに、『天守物語』を観たとき、観客の数はぼくを含めて三人でした。

風が吹き、日本に生まれて良かったなあとしみじみ実感。
古本屋で『西田幾多郎との対話—宗教と哲学をめぐって』を購入。最近は『善の研究
』などを解説と併せて熟読しておりまして、せめて年内中に、西田哲学の入り口ぐらいまではたどりつきたいと思っているわけです。
夜、ヴィンッチェンゾ・ナタリ監督『カンパニーマン』を観ました。『CUBE』と同様に、独特の映像の奇抜な感じがとても良かった。ルーシー・リュー最高。