本日も朝五時に起床して、ストレッチをして、自転車の点検をして、ストアで水と食糧を買い込んで、雄叫び(「今日もがんばるぞー!!」)をあげて出発です。さすがに六日目になると、アメリカの空気にもなれてきました。体調もなかなかよい感じ。ちなみにこの旅行では、アミノバイタルプロを大量に持参して、毎日かかさずに飲んでいます。おかげさまで、夜はぐっすり眠れるし、朝はぱっちりと目を覚ますことができます。健康はばっちり!だから、膝がみしみしと音を立てて痛むのはたぶん気のせいでしょう。
本日は、ルート66を北西に進み、Hackberry、Valentine、Truxton、PeachSpringsをすぎて、ロックンロールの町Seligmanまで走る予定です。約140km、若干長めのルートになるので、気合いを入れていきましょう。
アメリカの風景は、どこまでも続きます。
クロッシングレイルロード。とはいうものの、交差する先にみえるのはなーんにもない土と草の大地のみ。この線路を渡る人は、いったいどこへ行くのでしょうね。
九時前に、Hackberryの近くに到着。道路から少し離れた先に、Hackberryの集落がみえます。
ストアを発見。水も食糧も十分にあるので、通り過ぎました。しかし、今こうして改めて写真をみると、なんだか素敵だ。寄っておけばよかったかな?と少し後悔。
Valentineに到着。途中、パッツンパッツンのウェアを着てカーボンのロードバイクに乗っている自転車乗りが、すごいスピードで僕を抜かして行きました。アメリカに来て、まともに自転車に乗っている人に初めて会った!たぶん、Kingmanかどこか、この周辺に住んでいる人なのだろうけど、週末にこの辺を自転車で走ることがきるなんて、羨ましいな。
途中で廃墟を見つけたので、ちょいと立ち寄ってみました。なんなんだろう、これ。なーんにもないところにぽつんと一軒。自宅という感じではないので、公民館かなにかだったのかな。
またまた、何にもないすてきな道路が続きますよ。誰にも邪魔されずに、音楽を大音量で聞きながら、ひゃっほーう!!
道路の脇に、牛や馬たちを囲っている柵があり、カウボーイをちらりほらりと見かけます。カウボーイにカメラを向けるのは失礼かと思ったので、写真を撮るのは控えましたが、きゃつら、マジでカウボーイハットをかぶってましたぜ。
さて、ここで驚くべきことが起こりました。ロサンゼルスを出発して丸六日、自転車乗りといえば、先ほどあったぱっつんぽっつんさんだけだったのに、本日さらに二人の自転車乗りに遭遇したのです。しかも二人とも自転車旅行者!
一人目は、韓国からやってきたキュー君。まだ大学生なのですが、休学をして自転車で世界一周をしているそうです。すげーなー。話を聞いてみると、宿もほとんど野宿で、テントを張っているとのこと。インドへ行って中国を横断して、今はアメリカを横断中。うーん、老いたぼくにはちょっと真似ができませんね。
もうひとりは、ニューヨークからオレゴンまで、自転車で大陸横断をしているおじいさん。まじでおじいさん。こちらも野宿ばりばりで旅行を続けているそうです。おじいちゃーん、静かな老後はどこへいったのさ。毎日モーテルに泊まっているぼくの立場がないじゃない。
ちなみに、最初に出会ったのはキュー君で、目的地が同じだったので、そこまで一緒に走ろうということになり、その途中でおじいちゃんに出会いました。普段の旅行では、あまり友だちを作ったり人に話しかけたりはしないぼくではありますが、さすがに今回の旅行は不安が大きいことと、同じ自転車旅行者という仲間意識から、「もしよかったら一緒に走ろうぜ!」なんてことを提案してしまったりで、お恥ずかしいかぎり。
おじいちゃんとお別れして、キュー君とSeligmanへ向かいます。キューくんの自転車はマウンテンバイクなので、耐久性は高いけどスピードはそれほど出ません。まあ、ゆっくり走るのもたまにはいいか。暗闇も、二人だったら恐くないし。もう夕方だけど、目的地まではあと50kmぐらいだね。でも二人だったらなんにも恐くないさ!
道路の両脇に続く田んぼの向こう側で、ネイティブアメリカンの子供たちが遊んでいます。手を振ると、おもいっきり無視されました。長閑でとてもよい風景です。今日はなんだか、ゆっくりでとても良いなあ。
そんなわけで、夜も遅くにSeligmanに到着。ルート66の町Seligmanです。うわ、ダンスパーティーやってるぞ。CCRを大音量で流してみんなで踊っている!なんだこの町は!
へっとへとの体でどうにかモーテルを見つけてチェックインし(なぜか今日はどこま満室でした)、キュー君と街中のステーキハウスにステーキを食べにいきました。ロンリープラネットに、「Seligman来たらここ行かねえやつは奥村くんのちんちんだぜ」と書いてあったステーキハウスです。せっかくお友だちができたのですから、今日はパンにスパムはさんでケチャップかけたような食事ではなく、良いものを食べたいですからね。
ステーキハウスに入ると、カウボーイハットをかぶった恐そうな人たちがたくさん座っていて、ぼくたちをじろっ!とにらみつけました。わお!こえー!アメリカに来て初めて差別されるかも!と思ったのも束の間、みなさん僕たちの存在なんかすぐに忘れて、仲間たちと談笑を再開しました。ぼくたちも負け時と談笑して、分厚いステーキを食べて、今後のお互いの検討をたたえあって、お別れしました。またどこかで会えるとよいね。
自転車仲間との出会いが嬉しくて気づかなかったけど、今にして思うと、Seligmanってとても面白い町でした。ウエスタンな男の世界って感じ。