03年05月10日(土)
 本屋で別冊宝島『僕たちの好きな三国志』を購入。「新解釈で蘇る云々」というコピーがつけられているが、「新解釈」というよりはむしろ、三国志演義や横山三国志に対する「反解釈」のような印象を受ける。コラムなども含めて、とても面白い。コーエーのシュミレーションゲーム『三國志』シリーズの全作レビューが嬉しい。

 その後、古本屋でKurt Vonnegutの『Hocus Pocus』のペーパーバックを発見し、購入。最近、カート・ヴォネガットJr.にはまりかけている。

 夜、土曜日の夜の微妙な寂しさに負けて稽古に行く。稽古終了後、例のごとく居酒屋へ。話の内容がここ数年変わっていない。

 帰宅後、ミヒャエル・ハネケ監督『ピアニスト』を観る。前作『ファニーゲーム』はなかなか刺激的な映画だったが、この作品もすごく良い映画だった。主人公である女性は、普段は知的で厳しい大学のピアノの講師だが、自宅では同居している母親の執拗な束縛に苦しみ、その一方で、ポルノショップでアダルトビデオを観ながらごみ箱に捨ててある使用済みのティッシュの匂いを嗅いだり、他人のカーセックスを覗いて放尿したり、性器(多分クリトリス)を剃刀で傷つけたりと、倒錯した性癖を持っている。そこに、彼女に魅かれる若い青年が現れ、彼女にしつこく言い寄る。というお話。主役のピアニストを演じるイザベル・ユペールが素晴らしかった。
03年05月09日(金)
 とんでもなく重要な手続きを忘れていたことを思い出して、高田馬場のOさんのところへ行く。嫌な顔ひとつせずに対応してくれたOさんに感謝。ノーマン・メイラーの話をしたところ、『一分間に一万語 リングの死闘と新実存主義』を貸していただく。二分六秒のボクシングの試合の興奮を、「一分間に一万語、二万数千語に活写した異色のルポタージュ」。ぼくの都合で時間を作ってもらった上に、本まで貸していただいて、恐縮千万。

 夜、Yahooで紹介されていたサイト『ようこそ幕末の世界へ』をみていたら、幕末への想いがふつふつと蘇ってきた。ちょうど二十歳ぐらいの頃、幕末から明治維新という日本史的にも希有な転換期に強く興味が湧いて、少し調べたことがある。幕末に生きた人々がどれだけ価値観をぶちこわされたか、そのことを考えるだけで、心臓がどきどきする。

 幕末という時代は、太平の世であれば学者や詩人で一生を過ごしたはずの多くの人々を、戦乱に巻き込んだ。思想など持つはずのない多くの人々が、思想のために死んだ。そして、本来歴史に残るはずではなかった多くの人々を、歴史に残した。混乱の時代が、人を歴史の表舞台に登場させる。歴史にとって、平和な時代は価値を持たない。どうしてなのだろう。どうして人類は、混乱だけを歴史として描いてきたのだろう。
03年05月08日(木)
 稽古をさぼって渋谷をぶらぶら池袋をぶらぶら。今の季節は六時半から七時ぐらいの夕方の空気がとても良い。昨日は大気が青々としていたのに、今日はびっくりするぐらいオレンジ色に灼けている。

 Larry McCafferyの『Some Other Frequency』を購入。副題が "Interviews With Innovative American Authors" との通り、ポストモダンの仕掛け人にしてAvantPopの提唱者であるLarry McCaffery氏による、アメリカ文学の作家のインタビュー集。Gerald Vizenorへのインタビューが嬉しい。

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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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