02年04月01日(月)
電車で席に座っている女の子の足を、こっそりとさすっているおやじがいたので、頭をはたいて「それ、痴漢なんで」と注意をした。我ながら男らしい。。
02年04月02日(火)
■作家・田口ランディ氏が2作で無断使用を認める
http://www.yomiuri.co.jp/04/20020401i514.htm

とかく世間というものはパクりということに対して非常に不寛容でありまして、この方もネットやら雑誌やらでずーっと糾弾され続けてきましたが、とうとう無断使用を認めて謝罪を致しました。
しかし現在の日本にはリスペクトとオマージュという便利な言葉がありまして、いざとなったらそれを使えば良いのではないかと常日ごろ思っているのですが、田口さんはリスペクトという言葉を知らなかったと思われます。
「パクりですか?」と聞かれたら、「リスペクトです。」と答えましょう。
あるいはサンプリング。「パクりですか?」「サンプリングです。」と断言しましょう。それでも駄目なら「なんとなくオマージュでして。」と言い返してあげましょう。
クレジットを明記しろと言われたら、「リスパクトですから」と言ってあげましょう。それでもしつこかったら指浣腸をしてあげましょう。
02年04月03日(水)
デジタルカメラを購入し、嬉しくて夜中に石神井公園に行って、100枚ほど撮影をする。

石神井公園


夜中の三宝池から、ぶうぶうという不思議な鳴き声が聞こえる。何かを洗うようなじゃぶじゃぶという音も聞こえる。月夜に映える季春の池畔に、魍魎の気配が漂います。
02年04月04日(木)
デジタルカメラ
飽きた。

勉蔵専用

02年04月05日(金)
久しぶりに吉田健一の「東京の昔」を読み返したのですが、やはり素晴らしいので、ちょっとだけ以下に引用させて頂きます。

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そういうどうでもいいような話をしながら飲んでいるのはおしま婆さんと湯豆腐を突いているのくらいの位楽しかった。そこの店の熱燗というのは酒が通っていく喉が焼けそうな本当の熱燗でまたそうしなければ飲めないほどの辛口でもあったから酔うよりも先にその熱いのと酒が強烈なので却って暫くのうちは改めて目が覚める思いをする按配だった。そしてその店は前に一度来たときも気が付いたことだったが新たに一本持ってきても前の空になった銚子を下げずにいて勘さんの前にも二本そのいかついのが並んでいた。
「こうしておくと何本飲んだか分かるからなんですよ」と勘さんがその町の先輩らしく説明した。
「併し気をつけないとね、この酒は酔います。」
「それで尚更何本飲んだか知っておく必要があるわけですか。」そう言えば前に来たときも初めの感じに似ずかなり酔ってその店から帰ったことを思いだした。これに対抗するには食べるのに限るのでおでんの方は袋にがんもに爆弾を頼んだ。この他にその頃はおでんの種に何があっただろうか。その晩もこの三つを頼んだ覚えがあるのからすればおでんの中でもこういう脂っこいものをいつも頼んでいたらしい。そのおでんも熱くて辛子も飛び切りよく利いた。それに熱燗の酒でそういうものを飲んだり食べたりしていると寒さを忘れるばかりでなくて勘さんが言った通り酔わないでいることの方も危なくなってきた。
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こんな感じで、句読点のあまりない文章が延々と書き連なっていくのですが、これがね、読んでいくうちにどんどんと心にはまっていくのですよ。この引用だけでは分からないかもしれませんが。
食べ物がとても好きな方で、文章の至る所で酒を飲んだり物を食べたりする描写が出てくるのですが、それが素敵でね。友人との会話とかも、たいした会話でなくても、とても魅かれるのです。ああいうのを粋というのかしら。僕も大人になったらこういう生活を送りたいよ。(銚子を下げないで並べていくとかやってみたいね、と以前に誰かに言ったら、本当に粋な人は、その銚子を横にして並べていくのだよ、と教えていただいた記憶があります。誰かは忘れたけど。)
で、何を言いたいのかと言いますと、吉田さんは最近はあまり人気がないようで、本も絶版にはならなくとも重版もされずといった状態ですが、やはり僕はこの人の小説が大好きで、一生読んでいきたいと思いました。
02年04月06日(土)
とても素晴らしい本を発見しました。毎日ムック「鬼平を歩く」という本です。「鬼平をめぐる江戸の四季」や「犯科帳を歩く」など、鬼平犯科帳の舞台となった場所を、現在の東京と照らし合わせて紹介してくれてます。しかし、これだけであれば「鬼平犯科帳お愉しみ読本」でも、かなり丁寧に紹介しているので、それほど興奮はしません。嬉しいのは、「鬼平の愛した食と酒」と、「鬼平好みの味処」で、鬼平犯科帳に登場する食べ物を、原作に忠実に再現していたり、あるいは、そのものを食べさせてくれるお店を紹介してくれてます。これ、マジ嬉しいよ。レシピまでついているのよ。鬼平犯科帳に一番登場する食べ物といえば、多分軍鶏鍋だと思うのですが、軍鶏鍋のおいしいのを食べさせてくれるところも紹介されています。両国にあるのですが、今度鉄割の方々を連れて行ってみようと思います。あるいは、鉄割の方は皆さん鍋を作るのがとても上手なので、どなたかの家で軍鶏鍋を作ってみても良いとは思うのですが。


軍鶏鍋

02年04月07日(日)
川越に行ってきちゃった。片道390円の小旅行。

らかんらかん
らかんらかん
らかんらかん


菓子屋横丁で鉄割の方々へのお土産を購入。

らかん

02年04月08日(月)
そういえば、本屋で「見世物研究」とかいう本を立ち読みしたのですが、鉄割さんのことが少し書いてありましたよ。
02年04月09日(火)
白州正子の自伝を読む。

この方、自伝の中で、自分のことを成り上がり家系の礼儀を知らないやんちゃ娘だった、というようなことを何度も書いているのですが、思いっきり華族の家系だし、天皇家とも懇意な関係だし、あの時代に14歳でアメリカに留学したりと、こちらからみると相当にお嬢様でして、僕はこの方の骨董に関する審美眼はとても信頼しているし、エッセイなんかも大好きなのですが、自伝だけを読むとなんだか西遊記を読んでいるのと同じくらいに別の世界の物語に感じてしまいました。
そういう意味ではとても面白かったけど。

読んでいる間中、ずっと頭を離れなかったのは、中島君がいまだにしょっちゅう野ぐそをしているということで、昔インドを旅行したときに、インドの方々があちこちで野ぐそをしているのを見ましたが、ここはインドではなくて東京でして、しかも詳しく聞くと、彼は環七沿いで渋滞の時とかによく野ぐそをするということでして、なかなか素敵だなと思いました。
02年04月10日(水)
CNN日本語版が復活しましたよ。よかった。

サッカー優勝に「貢献した」妖術師にやっと報酬
またこぼれ話が読めます。
02年04月11日(木)
いつの間にか近所に巨大映画館ができておりまして、早速「ロード・オブ・ザ・リング」を観に行ってきました。

実は僕、ピーター・ジャクソンのファンなのですよ。「ブレインデッド」とか大好きで三回ぐらい観たし、「ブレインデッド」以降のピーター・ジャクソンの作品は、殆ど公開初日に映画館に観に行っているのです。たしか「さまよう魂たち」を観に行ったときに、次の彼の作品は「キングコング」のリメークになるとパンフレットに書いてあったような気がするのですが、あれはなんだったのでしょう。記憶違い?
で、「ロード・オブ・ザ・リング」ですが、良くできたエンターテイメントでして、とにかく笑わせたり泣かせたりはらはらさせたりと、いい意味でも悪い意味でもハリウッド映画でした。なんだか、別にピーター・ジャクソンと言われなければ、そうと気付かないような映画でしたけど。リブ・タイラーが大好きなので、とても期待していたのですが、なんだよー、五分ぐらいしか出ていないじゃあん。
ところで

■ビートルズ、1960年代に映画「ロード・オブ・ザ・リング」を企画

これ、観たかったな。
02年04月12日(金)
僕はコーヒーが大好きなのですが、最近胃の調子があまり良くないので、健康によさそうな中国茶を飲むことしました。
で、「中国茶の辞典」などを読んで勉強して、吉祥寺にある出来たばかりの中国茶屋さんに行って相談をしたところ、初めてであれば青茶である鉄観音茶、烏龍茶が良いのではないかと助言を頂いたので、それに従い茶壺と湯飲、茶葉を購入しました。白茶も購入しようと思ったのですが、茶壺というものは使用するにつれてお茶の匂いがしみ込んでくるものなので、出来ればひとつの茶壺ではひとつの茶葉を使用するように言われました。
そんで家に帰ってきて、お店で聞いた通り、お湯を注いで一杯目をそのまま捨てたり、茶壺の上からお湯をどばどばかけたりして、なんとなく楽しい気分でお茶を淹れてみたのですが、これが激烈うまい。びっくりするぐらいおいしくて、びっくりしました。本当ですよ、本当においしかったのですよ。
もっとおいしいお茶を淹れられるように、勉強をしよう。
そして我が家でお茶パーティーを開こう。


こんなページを眺めたり。
http://www.asahi-net.or.jp/~RU4K-HRT/main.html
02年04月13日(土)
古本屋でキャシー・アッカーの「アホダラ帝国」を発見、速攻で購入。この本の初版本は、古本屋では普通2000円から3000円ぐらいで売っているものなのですが、800円で買えました。

このキャシー・アッカーと言う人、今ではちょっぴりださい分類に入ってしまっているかもしれない女流作家さんなのですが、僕は結構好きなのです。
ほら、80年代にいたじゃないですか、シンディー・ローパーとか、マドンナとか、ローリー・アンダーソンとか、あんな感じで登場した、スキンヘッドに入れ墨のパンク姉ちゃんで、作品はアバンギャルドというのでしょうか、今となっては懐かしいタイプの作品です。ポストバロウズの女性旗手ですね。
「アホダラ帝国」は、アブホールというサイボーグ黒人女と、シーヴァイというぽん引きの海賊が、交互に語り手になって世界を探求する過程を語る愛の物語?という形式をとっています。まあ物語というにはプロットが混然としているし、実験小説に近い(というと怒られるかもしれないけど)のですが、とにかくあの時代特有の臭いがぷんぷんとします。
「アホダラ帝国」はサド、フロイト、ウィリアム・ギブソンなどの文体をパロディというか剽窃しているらしいのですが、そんなことはさっぱり分かりませんでした。っていうか、書いた本人も誰を使ったか、何処に使ったかを忘れているみたいです。

以下引用
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自由とはまさにマンコ。
チェ・ゲバラは自由がマンコなのを見て彼女をベッドに連れてった。そのベッドは時のベッド。あるいは苦痛の水を与えられたバラの咲く花壇(フラワーベッド)。夜明け間近になって二人は眠りに落ちた。
自由はチェのことをどう思ったのか?女がどう思うかなんて誰か知ってるの?女って、思えるの?いいや。かれが夢から目覚めると、彼女はぶっちらばってた。
以来、チェは夢の中にしか安住できなかった。ニューヨークでデトロイトでLAでニューキャッスルでマルセイユでベイルートで。巣。人々が自らの欲望で発狂しているところ。発夢しているところ...
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このパンクおねえさんは、1997年に癌で死去しています。最後の作品は「Pussy,King of the Pirates(海賊王まんこ)」。
02年04月14日(日)
続き。

「アホダラ帝国」の巻末に、アッカーのインタビューが載っていまして、その中で、バロウズをインタビューした時のことが書いてあります。
彼女はバロウズの大ファンで、会うのはとても楽しみだったのですが、一般に言われているバロウズの風評がとてもすさまじいものだったので緊張をしていたらしいのです。
が、実際に会ってみるととても気の良いおじさんで、インタビューは和やかな雰囲気で進んだのですが、なにを質問をしても全然関係のない答えが返ってきたり、怒らせようと思って変な質問をしても全然怒らないのに、アッカーがサバクギツネの餌を知らなかったときと、レムール(メガネザル)の事を知らなかったときには、激怒して大声で怒鳴りだしたとのことです。
バロウズって、年取ってからは、動物が大好きだったんですって。
それだけがちょっと困ったって。
02年04月15日(月)
Vol.7以降買っていなかったCOMIC CUEをまとめ買いしました。

この雑誌、毎回テーマを決めていろいろな作家に書いてもらっているのですが、個人的には面白い号とつまらない号の差が激しいように思います。今回買った4冊は全部面白かったけど。
で、帰りの電車の中でぱらぱらと流し読みをしていたのですが、「All you need is Love」号に掲載されていたしりあがり寿氏の漫画が、とても素晴らしくて、電車でなかったら絶対に泣いてましたよ、僕。
物語は短いもの(8ページ)でして、夫婦と思われるカップルが、夕飯を食べているところから始まります。いつものように、その日に起こった出来事を話す妻に、夫がプレゼントを渡し、「実は俺、殺されちゃったんだ」と告白します。帰り道に、若い男に背中を刺されて財布を奪われて死んじゃったと言うのです。
けど、どうしても言いたいことがあるので、とりあえず帰ってきました、と。
泣きじゃくる妻の頭をなでながら、夫は「それでは言いたかったことを言います」「君と一緒にいれて、すごく楽しかったです。それはなぜかというと、ずーと好きだったからです。」
そして二人は今までの楽しかった出来事を話し合います。くっつきながら。
朝になると、プレゼントだけを残して、夫はいませんでした。
というだけの物語なのですが、これ、こんな説明では1%も素晴らしさが伝わらないので、是非読んでいただきたい。間とか、絵とか、台詞とか。
死に際してやり遂げたいことが、「本当に好きだったから楽しかったのよ」という気持ちをきちんと伝えておくことだけっていうのは、なかなかのことですよ。
妻さんもけなげに最後の別れを受け入れているし。
妻が、死んだ夫に対して「(声を近くで聞きたいので)そっちへ行ってもいいですか?」と聞いて、二人はくっついたまま話をするのですが、やっぱりね、くっつくのって必要よ。皆さんも、恋人がいるのであれば、たくさんくっついておきなさい。
ああ、やっぱり書けば書くほど陳腐になる。読んで欲しいです。

世界と微妙にずれているのに、その感情の基準に共感できる作品って、僕は小説でも漫画でも映画でも大好きなのです。
02年04月16日(火)
そういえば、4月14日の日記に書こうと思っていて忘れていましたが、
4月14日は、高杉晋作君の命日でございます。享年29歳。

辞世の句である「おもしろきこともなき世をおもしろく」は、実は「おもしろきこともなき世におもしろく」だったという話があります。
それはともかく、この句には、野村望東尼がつけた「住みなすものは心なりけり」などという、とてつもなくつまらない、句全体を駄目にしてしまう下の句もあるのですが、それは無視しましょう。

ところで、昔からずっと考えていたのですが、高杉君にとっての「おもしろきこと」ってなんだったのだろう。

「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し、衆目駭然として敢えて正視するもの莫し。これ我が東行高杉君に非ずや。」
伊藤博文さんのお言葉。
02年04月17日(水)
吉祥寺にあるFLOOR!というカフェは、コーヒー類は一切置いておらず、お茶は日本茶、中国茶、紅茶のみでして、ランチも二種類ととてもシンプルなのですが、値段の割になかなかおいしいのです。
今日は、前菜が豆腐のセヴィッチ、山海月の老酒漬けで、メインがオリエンタルグリルドチキンと山芋のマッシュでして、書いている僕も良く分かっていないのですが、チキンのソースに香草系のハーブを使用していて、とてもおいしかったですよ。注文してから料理が来るまでが長いのがまた良いね。
置いてある本もどこまで本気なのかは知りませんが、白州正子の骨董関係のものであったり、唐木順三の「日本の心」であったり、池波正太郎の「江戸料理を創る」であったりして、僕の好みにぴったりなのです。雑誌「太陽」も大量に置いてあるし。

食後は日本茶を飲みながら桜餅を食べて、春の陽気を感じつつ、静かに読書を致しましょう。気分が良ければ目を閉じて微睡みましょう。
02年04月18日(木)
バロウズと言えば、イギリスの作家に自他共に認めるバロウジアン、ウィル・セルフがいます。

と、書こうと思ってウィル・セルフのサイトを久しぶりに覗いたら、バロウズの「Junky」に関するエッセイが公開されていました。
これは、ペンギンブックスの新装版「Junkie」のイントロダクションとして書かれたものらしいです。

ウィル・セルフは、日本ではあまり翻訳がされていないので知名度は低いですが、英米ではもはや相当に著名な中堅作家です。

良く言われるのは「洗練された悪趣味」「J.G.バラードとデイビッド・ロッジとバロウズを足してさらに2をプラスしたもの」などなど。

現在翻訳されている作品は

コック&ブル 白水社
コック(感傷的恋愛小説)とブル(茶番劇)の二つの中編からなる作品集です。
コックはちんちんの生えた人妻のお話、ブルは左ひざにまんこが出てきたラガーマンのお話。
この種の作家の翻訳でおなじみの渡辺佐智江さんの訳でして、コメディとしてとても面白い小説です。
こういう話を書くのって、ひとつ間違えればとてつもなく陳腐なものになってしまうと思うのですが、ウィル・セルフの作家としての手腕も、渡辺佐智江さんの翻訳の手腕もとても素晴らしくて、評判も結構なものです。

尺度(スケール)イギリス新鋭作家短編選」新潮社
これ、僕は個人的に相当衝撃を受けた作品なのですが、全然話題にならないですね。
以下が始まりなのですが、

バランス感覚をなくしてしまう人もいる。私の場合、尺度(スケール)の感覚をなくしてしまったのである。昨夜遅くロンドンから帰宅途中、ジャンクション2への最後の出口表示から退出路までの距離が、にわかに判断できなくなってしまったのだ。たしかに霧は深かったし、対向車のまぶしいヘッドライトが、広がる後光を私の視界に焼き付けもした。でも判断を容易にするよう、三つ連なった長方形の標識がそこにはちゃんとも受けられている。

凄くないですか、この文章。こんな感じに始まって、こんな感じにどんどんと話が進んでいきます。まあ、麻薬作家のお話なのですけど。

セポイの反乱 ユリイカ97年11月
読んでいないので、分からないです。だれか持っていたら貸してください。

北ロンドン死者の書 「夜の姉妹団」朝日文庫
もう最高。
死んだお母さんを町で偶然に見かけ問いただしたところ、実は死んだ後にロンドンの別の場所で暮らしていたという事実を知るお話。

現在翻訳されているのは、これぐらいだと思います。僕の知るかぎりでは。
02年04月19日(金)
ウィル・セルフは、僕の中でかなり大きな存在なので、もう少し説明をしてしまうと

1961年ロンドン生まれ、大学教授の父と、ユダヤ系アメリカ人の母のもと、ドストエフスキーやらスタンダールやらカフカに囲まれた、「極度に文学的」で「究極に自由放任主義」の家庭環境に育ち、12才でマリファナ、17才でヘロインを覚えて、ありとあらゆる麻薬に溺れる。
オクスフォード大学エクスターカレッジ哲学専攻に入学後、パンクバンドを結成。
麻薬に溺れた大学生活を終了した後は、ヨーロッパやアジアを放浪、漫画家としてデビュー。
慢性アルコール中毒、麻薬中毒を克服後、「The Quantity Theory of Insanity」で小説家としてデビュー。
なんかね、こうやって書くと村上龍みたいになってしまって嫌なのですけど。
いえ、村上龍が嫌いというわけではありませんが。

「イギリス新鋭作家短編選」に掲載されているウィル・セルフの写真を見ると、とてもスマートでおしゃれな若者なのですが、数年前にNHKで放映したBBCのニーチェの特集に出演していたウィル・セルフは、はげ上がっていてただのおやじでした。
それから、僕はBomb The Bassのファンなのですが、ある日CDのクレジットを何気なく読んでいたら、ある曲のVoiceとしてウィル・セルフが参加していました。低めの、とても渋い声で素敵でした。

もう一つだけ追加すると、OnpeeChangのセカンドアルバムのジャケットは、実はウィル・セルフの「 Tough, Tough Toys for Tough, Tough Boys 」のパクり、ではなくてサンプリングでして、イギリス文学好きとかが一人ぐらい「やるじゃん」とか言ってくれるのではないかと思っていたのですが、誰も気付いてくれませんでした。
02年04月20日(土)
ふとテレビをつけたら、いきなり役所広司が「鬼平犯科帳」を読みながら料理を作っていました。
うまいが一番〜池波正太郎の食世界〜
おいおいなんですかこの番組は。
いつの間にこんなものが始まっていたのですか。
勘弁していただきたい。
そういうわけで、これからは必観です。
ちなみに今週は、「独活」でしたが、あまりうまそうにはみえませんでした。

友人に聞いたところ、相当昔から放映されているとのこと。迂闊でした。
02年04月21日(日)
古本屋で田山花袋「東京の三十年」を購入。岩波文庫、初版本で1000円。

花袋さんは、ぼく個人的な所感としては、あの怒濤の明治文壇史の中で、どうにもぱっとしない作品を書き続けたなかなか貴重な無個性人(好きな人がいたら申し訳ないです)という印象しかなくて、この「東京の三十年」も文体は相変わらずいやらしくて面白みがありませんが、当時の東京と文壇の様子が詳しく描かれていて、内容はなかなか面白かったです。
読みやすい文章も手伝って、どんどんと読み進むし。
時は明治十四五年からの三十年間、所は東京、十一歳の花袋少年の過ごした幼年時代から始まる東京の三十年の様子が、彼の身辺を中心に語られています。
凄いですよ、明治文人総出演。この時代の人々が、西洋の書物を如何に求めて、日本の文学を如何に愛していたかがひしひしと伝わってきます。
日本が、世界が、未曾有の大混乱に陥っているさなか、如何に彼らが文学の事を追及しようとしていたか。
そして、如何に彼らが喧嘩ばかりしていたか。

しかし、この花袋のおじさん、女性への欲望で煩悶する描写が、妙にいやらしいのです。
別におっぱいがどうのとか股間がどうのとかちんちんがどうとか書いてあるわけではないのですが、なんかね、心の中で考えるいやらしさというか。
一生懸命スケベを隠そうとしているスケベな人っているじゃないですか。ばればれなのに。

その娘は後に琴を習いに番町まで行った。私は度々その後をつけた。納戸町の通を浄瑠璃坂の方へ、それから堀端へ出て、市谷見付を入って、三番町のある琴の師匠の家へと娘は入っていった。私は往きにあとをつけて、帰りに又その姿を見たいために、今はなくなったが、市谷の見付内の土手の涼しい木の陰に詩集などを手にしながら、その帰るのを待った。水色の蝙蝠傘、それを見ると、私はすぐそこからかけ下りて行った。白茶の繻子の帯、その帯の間から見ると白い柔らかな肘、若いころの情痴のさまが思いやらるるではないか。

で、結論と致しましては、ぼくは花袋君に関しては、いまいちというかほとんど好きにはなれませんが、明治文学にはとても強い興味を持っている、ということです。

ラブということはもう私たちはおしまいですね。春も過ぎましたね。
島崎藤村君が言いました。
02年04月22日(月)
こんなことを書くと突っ込まれることは必定ですが、カフェというところが大好きです。
なにも予定のない休日なんかは、大抵カフェに行くのですが、なかなか良いカフェがありません。

僕にとっての良いカフェの条件は、それほどうるさいものではないのですよ。
・基本的に混んでいない。並ぶなんてもってのほか。
・静か。テーブルが全部一人、または二人用であれば最高。
・安い。お茶一杯400円から500円。味は値段相応。
・長時間いられる。注文の度にお金を払うと、居やすい。五時間とかいても居づらくならない。
・机がでかい。本をたくさん載せられる。ノートを広げることが出来る。
・食べ物がおいしい。僕はグルメではないので、値段に応じて普通においしいものであれば。
・音楽のセンスが素敵。店員さんが、好きな音楽をかけてくれていれば良いのです。
・喫茶店じゃない。喫茶店は雰囲気が嫌い。
・素敵な本が置いてある。骨休みにちょうど良いもの。
・気取っていない。馬鹿みたいなカフェってあるじゃないですか。店員さんとか、何か勘違いをしているような。そういうところはちょっと困ってしまいます。
・駅周辺から少し離れている。理由はないけど、なんとなく。

突き詰めると、居心地の良いスペースでさえあれば良いのです。居心地の良いスペースで、ゆっくりとコーヒーを飲みながら読書とかね。

馬鹿っぽいですか。
02年04月23日(火)
JAM」に行ってきまして。

グラハム・ラウンスウェイトの絵と、6876のジャケットと、グルーブヴィジョンズの靴がかわいかった。
グラハム・ラウンスウェイトの絵を部屋に飾りたいと思い、帰りにミュージアムショップのようなところで買おうとかと思ったのですが、売っていませんでした。
長島有里枝さんの写真は相変わらずすごかった。かっこよすぎる。
02年04月24日(水)
滅多に電話のかかってこない友人から電話がかかってきたので、食事のお誘いかと思い喜び勇んで電話に出ると、NKホールの場所を教えてくれという用件だった。
がっかりしたけれど、そのことを悟られないように無理に元気を装ってインターネットで場所を調べる。
場所はすぐに判明したけれど、なんだか寂しかったので場所がなかなか見つからない振りをして電話を延ばす。
場所を伝えると、とても喜んでくれたので、人の役に立つというのはとても気持ちの良いことだと実感する。
僕がいなかったら、彼らは格闘技を見れなかったのだろうな、と考えながら、生まれて来た喜びを噛みしめ、明日に備えて早めに就寝。
02年04月25日(木)
生きているといううずくような歓びに、ぼくは目覚まし時計よりかっきり五秒早く目を覚まして、「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」を観る。

ジョン・ウォーターズの作品なので、それなりに面白いだろうとは思っていたのですが、やはり面白かった。
現代の商業主義のハリウッド映画に反感を抱いたアングラ映画崇拝主義者達が、ハリウッド女優を誘拐して主演女優にしたて、ゲリラ映画を撮影するというお話。
彼らの求める理想とする映画は、プレミンジャーより強力で、リンチよりもおぞましく暗い、ハーシェル・ゴードン・ルイスよりもキワモノ、サム・フラーよりも暴力的、ペキンパーのごとく飲み、ファスビンダーのごとくハイになり、アルモドヴァルのブラック・ユーモア、ケネス・アンガーの悪魔的才能、スパイク・リーの人種的緊張。
ウォーホール様、新しきアングラの地から崇拝します。
未来のアウトロー映画のため性欲を役立てます。

などと全員で唱えたりして、馬鹿過ぎてそうとうに面白かったのですけど。

さて、彼は自著「クラックポット」に収められている「よいしょコーナー-ぼくのお気に入り101選-」という章の中で、自分の好きなものを素敵な文章で101個紹介してくれています(逆に『めった切りコーナー-ぼくの目のかたき101選-』もあるのですが)。
マンソンファミリー、グレン・グールド、LSDのフラッシュ・バック、ジェイムズ・パーディー、ヴィオレット・ルデュック、アン・タイラー、ジム・トンプソン、ジーン・リース、ジェーン・ボウルズ、ヴィトルド・ゴンブロヴィッチ、フラナリー・オコナー、ミニチュアの電気椅子のおもちゃ、ネクタイ、オットー・プレミンジャー(セシル・Bにも出てた)、オフィス、ビックのボールペン、キャッシュ・サービス機、ぜんまい式のびっくりブザー、などなど。
素敵な文章の中で、かれのお気に入りが どんどんと出てきます。

鉄割のエッセンスも101個ぐらいに凝縮してWeb上でリンク集として公開したら、なかなか良いのではないか、鉄割を知らない人には鉄割を理解してもらうための良い指針になるのでは、とか思うのです。
エッセンスを見たほうが、下手に鉄割の紹介をするよりも、鉄割のことがわかりませんか?
しかしながらエッセンスは一向に増えず。

それで、salon.comにウォーターズのインタビューがあります。
Salon.com People | John Waters
ここにもまたバロウズさんの影が...
なんなのでしょう、バロウズさん。ぼくは一冊も読んだことがないのに、至る所に顏を出してくる。
02年04月26日(金)
スタジオで「Japan Blues Carnival」のチラシを発見。
なんだか何処かで観たことのあるイラストだなと思っていたら、Jerryのイラストでした。
それで家に帰って、JerryのCOCONUT CRUSHを久しぶりに読んだのですが、やっぱりすごいおもしろい。面白すぎて、悲しくなります。
ちなみに、上のリンクの書評に「松本大洋似の絵画センス」とか書いてありますけど、それは100%間違いでして、全然違いますよ。

昔、ガロを定期購読していたころ、Jerryが載っていると嬉しくて嬉しくて。
何ヶ月かに一回ぐらいしか書いてくれないので、たまに載っているといの一番に読んだものです。
コミックも、結構昔から出る出ると言われていたのに二年も三年も全然出なくて、まあ青林堂だし仕方がないかと諦めていた所、いきなり本屋に並んでいたのを発見して乱舞しました。
イラストも素敵ですが、漫画はもっと素敵なのですよ。

で、Webで調べてみたところ
OUR HOUSE
という、Jerryのオフィシャルサイトを発見。
イラストが欲しい。部屋に飾りたい。
02年04月27日(土)
どうも最近やたらとグリズリーと縁がありまして、頭からグリズリーのことが離れることが殆ど無いのですが、先日起き抜けにふとテレビに目をやると、いつの間にか電源が入っていて、グリズリー特集がやっていました。
いんちき臭い外人の案内で、グリズリーの生息地帯やグリズリーの生態を紹介してくれる海外の番組だったのですが、これがなかなか面白くて。
日本では、熊と出会ったら死んだ振りをせよ、などと言われておりますが、その番組では、グリズリーと出会った場合、とにかくこちらが人間であることを示すために、大きく手を振って「ベアー!私よ!ベアー!私よ!」と呼びかけなさいと言っていました。
グリズリーは基本的に臆病なので、大抵の場合はそれで逃げていってしまうそうです。
ただし、そのグリズリーが母親で、子供のグリズリーが近くにいた場合はかなり気が荒くなっているので、ぶっ飛ばされるかもしれないと言っておりました。
そして、ぶっ飛ばされて命からがら逃げてきた人たちがたくさんインタビューを受けていて、みんな顔が半分吹っ飛ばされたりしているのに、「いやああの時は参ったよ、ハッハッハッ」「いやあ、気付いたら目玉が飛び出ていてさ、ハッハッハッ」「いやあ、目の前でパートナーがずたずたにされていてさ、ハッハッハッ」などと陽気に話していました。

しかし、僕の大好きなエッセイスト兼最近では小説家として有名なリック・バスの「心に野生を」の中のエッセイ「グリズリー・カウボーイズ」に、こんな一節があります。

(グリズリーが)きみを見かけても、君が横たわっているか、身動きひとつせずに立っていれば、立ち去るだろう。あるい攻撃の素振りを見せるかもしれない。あるいは戻っていかずに追ってきて、咀嚼するように口をもぐもぐさせたり、地面を打ったりするかもしれない。じっと静かにして、しゃがみ込んで生殖器を守り片手を首の後ろに回す。そうすれば逃げおおせる者もいるし、そうでないものもいる。

ぼくは、死に際して見苦しい真似だけはするまいと思いながら日々生きておりますが、何かに食われて死ぬのだけは嫌(だって死んでからうんこになるんですよ)なので、グリズリーと出会った時にどうすれば助かるのかを心の底から知りたいと思っているのですが、ちんちんを押さえて死んだ真似をするのが有効なのか、大声でグリズリーに話しかけるべきなのか、一体どうすれば良いのだろう。
ちんちんを押さえて食われても、大声で話しかけて食われても、どちらにしても格好悪いじゃん。

そんなことを考えながら、春も終わりの石神井公園を散歩して、空を見上げりゃ五月晴れ。
02年04月28日(日)
先日、お友達の家で和やかにお酒を飲みながら豆乳鍋をつつき、楽しく歓談したのですが、その時につげ義春の漫画で何が一番好きか、という話になりました。
ぼくが一番好きなのは、間違いなく「別離」なのですが、その時に一番人気があったのは「必殺するめ固め」でした。
つげ義春の漫画をおおまかに分類すると、私小説的、幻想的、馬鹿的、の三種類に分けられると思うのですが、「必殺するめ固め」は、題名からも察せられるように馬鹿的な作品でして、もともとはつげ義春が見た夢が元ネタになっています。

その時に、弟のつげ忠男のことも話題に出たのですが、ぼくはちゃんと読んだことがないので、先ほど忠男さんのホームページを見ていたのですが、そこに「必殺するめ固め」が映画化するというようなことが書かれていました。

映画化。ううむ。微妙。

それはまあ良いとして、幻燈webこのページによると、つげ義春はまだ漫画をやめてはいないようです。
しかし、「自分の人生の目的は漫画を書くことではなくて、乞食になることのように思えてなりません。乞食こそ完全な生き方のように思えます。」などとも書いているので、ちょっと怪しい。
02年04月29日(月)
Palmというものを購入しました。

正直なところ、電子手帳に関しては、今まで何度も購入しては挫折して、ということを繰り返しているので、今回もかなり躊躇しました。安い物でもないし。
でも、周りで皆が持っているのを見ていたら、欲しくなってしまいました。

さて、ぼくがPDAでやりたいことは
・辞書。広辞苑とか英和英英辞典とか、日本大百科とか、EPWING形式の辞書をいくつか持っているので、それを活用したい。今も電子辞書を使ってるけど、辞書の追加はできないし、検索機能もいまいちなので。
・スケジュール管理。今のところ、毎月手書きのカレンダーを使ってスケジュール帳に使っているいるのですが、それはあまりにも悲しいので、かっこよくPDAで管理したい。人前でわざとスケジュールを確認したい。
・データベース。欲しい本のリストとか、今はノートの一番後ろにまとめているのですが、ノートがでかいしいろいろはさまってるしで、本屋で出すと非常にかさばる。PDAならスマート。

こんな感じです。
他に何ができるのかしら。

palmでEPWING形式の辞書を使うには
Palmで電子ブック・EPWINGを使おう!
こんなページがありました。
このページを参考に、Buckingham EB Playerを使います。
電子ブック漢字インデクサを使えば、漢字による表記検索もできるみたい。
予定表にはこことかここを参考に、Datebk3をインストール。
でもこれ、シェアウェアなので、後で削除するかも。
あと、長文の文章を読むのに、J-DOC reader
早速青空文庫から幸田露伴の作品をいくつかダウンロード。

アウトラインプロセッサはTreeを使用。本当はこちらがほしいけど、高すぎます。
辞書の次に重要と思われるデータベース管理アプリは、JFileが定番らしいですが、シェアウェアで高いのでPicoをインストールしました。けど、このアプリは新規データベースの作成ができないの。
ブックリストには、Librarianを使用する。
さらに、TimeTableという個人的にとても便利なソフトも。
Daアプリを使うために、DA Launcherを使用。SDカード上でアプリを起動するためには、
PowerRUNが必要らしい。ランチャーアプリも欲しいので、探したところ、
Launcher IIIが、なかなかよさそう。でもシェア・ウェア。
それから、ぼくは東京の路線というものを全く把握していないので、鉄道経路検索ソフトのTRAINと、DA TRAIN ViewerJR東京近郊路線図東京地下鉄マップをインストール。
さらに時刻表をリアルタイムで表示してくれるDA TrainTimeもインストール。
駅前倶楽部等の時刻表データを、tbl形式に変換してくれるアプリTrainConv ExplorerはWindowsにインストール。時刻表のデータファイルはこちらから。
HotSyncでパソコンの時計と同期をとるアプリまである。
それから、アラーム時計BigClockもインストール。

あらあら、あっという間にメモリーがいっぱいよ。

環境は何となく整ったものの、予定表の入れ方すら良く分からない。
手書きをしても全然認識してくれない。
っていうかもう飽きた気がする。
02年04月30日(火)
ある春雨の日に戌井さんの家に遊びに行ったのですが、留守でした。
一、二時間ほど待たせてもらおうかと思い、勝手に上がりこんで本棚を眺めていると、前から読みたかったソローの「森の生活」があるのを発見しました。
ポール・オースターの「幽霊たち」の中で、ブラックが読んでいたのは確かこの本でしたな、などと思いながら、ぼくはそこに寝そべって、春雨の音を聞きながら一日静かにそれを読んで、帰りました。
「昨日は君は留守だったが、『森の生活』が置いてあったので、それを読んで、静かに君の家で半日を過ごした。いろいろなことを考えた。忘れられない一日だ。」
こんな手紙をそのあくる日に書きました。

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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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