

今年の夏はミャンマーかカンボジアに行きたいと思っていたのですが、一月前からキャンセル待ちしている飛行機のチケットがいまだにとれていません。もしチケットがとれなかったら、そのお金で新しい自転車を購入して、日本の地方のどこかへ行こうかなあ。
夜、鉄割のやつらとビルの屋上でバーベキューをしました。この鉄割の方々、本当に馬鹿というか馬鹿ばかりで、来年の今ごろには全員死に絶えていると思うのですが、一緒にお酒を飲むには本当に楽しい人たちなので、どうにか大成していただきたいものです。そろそろやり手のプロデューサーに体を売ったりすることも、考えなくてはいけない時期かもしれません。

うだうだうだるような猛暑の中、昭人くんと指紋くんとちゃりで横浜まで行きました。まずは烏山に集合、アミノ酸をたっぷりとって、裏道を通って二子玉川へ、そこからは汗だくになりながら、多摩川沿いをひたすらに走ります。川の土手では、日光浴をしている人や、バレーや野球などをしている人々や、バーベキューをしているグループなど、みなさん楽しそう。炎天下を走っているぼくたちは死にそうです。
途中、川崎にある市民ミュージアムへ寄り、「谷岡ヤスジの世界展 天才キャラクターだもんね!」と「日本の幻獣展」を観ました。谷岡ヤスジ展はひっそりとしていましたけど、熱中症気味の頭にはなかなかよい刺戟。幻獣展は、妖怪好きにはたまらない展覧会でした。河童とか人魚のミイラは何度かみたことがあったけれど、鬼のミイラをみたのは初めてです。こういうのって、贋物であることは常識なのでしょうけれど、実際に科学的な鑑定とかってしたことはあるのかしら。それとも、そんな夢を壊すような不粋なことはしないのかな。
ミュージアムのレストランで昼食。店内には、夫婦と思われる方々が何組かいて、楽しそうに笑いながら蕎麦を食べています。そうだ、ぼくが子どもの頃に夢見ていたのは、あんな風な小さな幸せだった。休日に、妻と一緒に近所の美術館に行くような、そんな小さな幸せを望んでいたのだ。それが現実ときたら、いい年こいたおっさん三人で、ちゃりで汗だくになりながら谷岡ヤスジ鼻血ブーちんこピーの人生になっちまった。いったい、どこで歯車が狂ったのか。ふふ。ふふふふ。
その後、心臓破りの坂で馬鹿みたいにぎらぎらしている太陽にあやうく心臓を破られそうになりながら、どうにかこうにか横浜に到着。中華街でビールを飲みながらおいしいものでも食べようと思っていたのですが、あいにくなことに本日は横浜花火大会ということで、歩くことができないほどに人があふれています。仕方がないので本牧に移動し、戌井さんの知っている中華料理屋さん「喜血害」で揚げワンタンなどをいただきました。
帰りは、行きとは逆の方向(東京側)の多摩川沿いを走りました。太陽が出ていないということは、こんなにも気持が良いものかと実感、二度と太陽が昇りませんようにと祈りました。とても静かな夜に、少し離れた家々から、日曜日の夕方の家族の音が聞こえて来ます。夜の風と川の音を堪能しながら、ペダルを漕ぎつつ、えろい話に華を咲かせました。
夜九時すぎに烏山に到着。きりんちゃんが無人の駐車場で、酒にパンをひたして食べながら、マンドリンを弾いてぼくたちを待っていました。こうして、ぼくの人生は過ぎていくのです。

ここのところ、あまりの猛暑に散歩をおろそかにしていたのですが、少しばかり思索に耽りたいと思いたち、久しぶりに散歩道を歩いてみたところ、以前はただの雑草だらけの敷地だった場所が、草々が生い茂りすっかりとジャングルになっていました。足を踏み入れて探険をしようかとも思いましたが、ライオンに食べられるのは嫌なので、そっと通りすぎました。ジャングルの奥から、土人の太鼓の音が聞こえてきました。
夜、女の子のちゃりきちがいからメールが来て、今すぐ烏山に来いというので行ったところ、この暑い日に東京を一周して100キロ近く走ったちゃりんこカップルが、すがすがしい顔でお酒を飲んでいました。いいなあ。ぼくも東京一周したい。