

山形二日目です。
帰りは、行きとは別のコースを選び、障子ガ岳を経由して出発地点であるバカ平を目指しました。前半はほぼずっと稜線歩き、絶景と紅葉に囲まれながら、それぞれのペースでゆっくりと。昭人さんはたばこを吸いたい、うんこしたい、虫に刺されたと大騒ぎ、奥村君はオナニーしたい、登山は装備だ、エフェクター欲しいと大騒ぎ、はて、このような状況は以前にもありました、そうだ、三年前に軽井沢で。
下山後、汗を流しましょうということで古寺鉱泉へ。その道中、道を間違えて約三十分ほど山道を迂回してドライブ、走る車の周りには秋に色付く山の風景のみ、曲がり道ひとつなく延々と続く山道に、これまでの人生で経験をしたことがないような至福、このドライブが今回の旅行で一番心に残っております。
古寺鉱泉は、朝陽館という朝日連峰登山口にある旅館で、駐車場から渓流に沿ってしばらく歩くと、森の中にぽつねんと、とても良い雰囲気で建っており、入り口には元ヤンキーと思しきあんちゃんが玄関を掃掃除、鉱泉に浸かりたいと声をかけると、一度に五人は入れないので、交代で入ってくれとのこと。茶褐色の鉱泉に登山の疲れを癒します、紅葉の思い出にひたります、このままここで眠りたい。
早くに隠居して、このような場所で時を過ごしている自分を想像して、にやにやとしているとお腹が減ってきました。空には地面に一直線の飛行機雲、墜落かアクロバットかと騒ぎながら蕎麦屋さんへ、出てきたのは馬鹿でかい板に蕎麦、日本酒の一杯も飲みたいなあと思いつつ、今飲んだらそのまま眠ってしまうことは必至ですから、お茶で我慢して板蕎麦を堪能。
幸せな気分のまま、車の運転は人に任せて東京へ。なんとまあ、長閑な旅行だったことでしょう。また近いうちに行きましょう、山形。少人数で。

戌井さんと奥村君とDJ子供くんと山形へ行ってきました。
在住のたかおさんの案内で、朝日岳連峰の向かいに位置する天狗角力取山という素敵な名前の山を登り、一面の紅葉を満喫しました。標高1376mの低い山なので、軽いハイキングのつもりで登り始めたのですが、思ったよりも傾斜が急で、なかなか登りごたえがありました。
山形の山は、当然ですが北アルプスの様子とは異なり、標高が低いためか頂上でも草木が覆い茂げり、山肌も柔らかく、空気もきれいで、なによりも人が少なくてとても素敵な場所でした。山小屋も大仰ではなく、寝るためだけのこじんまりとしたかわいらしいもので、ごはんなどは出るはずもなく、たかおさんの持参した枝豆でまめごはんを作って(というか作ってもらって)、ベーコンと卵を焼いて食べました。そうこうしているうちに、夕焼けの光に覆われて、紅葉がさらに美しく映え、紅茶にラム酒をたらして飲みながら、緩やかな山登りもなかなかいいじゃないと口々に。
山小屋は、今の時期だと平日はほとんどがらがらで、上手くいけばほとんど貸し切り状態になるそうです。男三人、女三人ぐらいで来て、ここでコンパを開いたら楽しいかもしれない、と思いました。絆も深まるし。

古本屋さんで、西田幾多郎『哲学概論』を購入。 西田先生による哲学講義。開いてみると、前半にはびっしりと線が引いてあるにもかかわらず、後半は書き込みひとつなくきれいな状態。それではわたくしが、熟読して後半にも線を引いてあげましょう。その前に『善の研究』、一日に二、三ページが限界ですが、絶対に年内に完読してやるぞう。
夜、『この森で、天使はバスを降りた』を観ました。舞台であるメイン州のギリアドという町は、「神が最も美しい土地だと降臨した」と言われるているそうですが、映像がいまいちだったので、その美しさが伝わってきませんでした。ストーリーも前半は良かったのですが、後半が感動を強要するようでがっかり、ですが主演のアリソン・エリオットがとても良かったので、許してあげましょう。