

古本屋さんで、西田幾多郎『哲学概論』を購入。 西田先生による哲学講義。開いてみると、前半にはびっしりと線が引いてあるにもかかわらず、後半は書き込みひとつなくきれいな状態。それではわたくしが、熟読して後半にも線を引いてあげましょう。その前に『善の研究』、一日に二、三ページが限界ですが、絶対に年内に完読してやるぞう。
夜、『この森で、天使はバスを降りた』を観ました。舞台であるメイン州のギリアドという町は、「神が最も美しい土地だと降臨した」と言われるているそうですが、映像がいまいちだったので、その美しさが伝わってきませんでした。ストーリーも前半は良かったのですが、後半が感動を強要するようでがっかり、ですが主演のアリソン・エリオットがとても良かったので、許してあげましょう。

なにガンつけてんだこら。
夕焼けを全身に浴びてふらりと古本屋さんへ、白洲正子『近江山河抄』を購入、ふらりふらりと本屋さんへ、『鎌倉物語』の二十巻を購入、ふらふらふらりと古本屋さんへ、カール・セーガン『人はなぜエセ科学に騙されるのか
』の上下巻を購入、さらにほわわんと古本屋さんへ、鈴木大拙『禅と日本文化
』『対話 人間いかに生くべきか』購入、ぷるるるんと古本屋さんへ、朝永振一郎『物理学とは何だろうか
』上下巻を購入。
朝永振一郎氏の『物理学とは何だろうか』は、先日買った茂木健一郎氏の『意識とはなにか』の巻末の「より詳しく知りたい人のためのブックガイド」で挙げられていたもの。物理学の知識が皆無のぼくは、ここらへんから物理学というものを勉強しましょう。
夜、昭の字から電話、明日の夜中に東京を出て山形へ行かないか、とのこと。何も予定はないので、承諾。山形なんて生まれてから一度も行ったことがないし、行こうと思ったこともない。どんなところなのか、イメージも湧かない。楽しみ。

今日からドラマ『TRICK』が始まります。さっさと家に帰って身を清めて待機しなくてはと思っていたのですが、夕方に中島君よりメールで「本日、チョコレートパフェを食べに行かないか(原文ママ)」とのお誘い、それは是非とも行かねばなるまい、結局池袋でパフェ三昧。最近、鉄割の中で影の薄い中島君ではありますが、お元気なようで一安心。
近況などを交えていろいろと話をしましたが、その中で一番心に残ったのは次のような話、中島君曰く、前回の登山で君は落石から一命を取り留めたそうだが、あれは落石事故に君が遭遇したのではない、むしろ君がいたからこそ岩が落石してきたのだ、君がいなければあの時あの場所で岩が落石することなどなかった、落石を受けたのが、内倉君でも渡部君でも戌井君でも愚弟でもなく、他ならぬ君であったことは、偶然ではなく必然である、中島君はパフェをぱくり、続けて曰く、そして落石が頭ではなくザックに当たったのも、つまり悲劇的な事故ではなく笑い話で済んだのも、偶然ではなく必然である、君はそのようなずっこけ君としてこの世に生を受け、死んでいくのだ、ぼくは答えて、即ちそれがぼくの運命ということか、にやりとして中島君、運命というよりも性質だ、それが君のずっこけ性質なのだ、加えてわたし自身にもそのずっこけ性質は備わっている、もしもわたしが登山に参加していたら、やはりおそらくは落石を招いていただろう、ぼくは答えて、ふむ確かに、岩はぼくの頭上でふたつに割れて落石してきた、つまり、片方はぼくのザックに、片方は君のザックに落ちるはずだったのかもしれない、なるほど得心、あの時のあの岩は、那須で仕事をしていた君に向かって落ちていったのか。中島君は笑って、お互いずっこけも楽じゃねえやな、とパフェをぱくり、ぼくも答えて、ちげえねえ、とパフェをぱくり。