
祖母の初盆なので、お線香をあげに帰省。
実家から本家へ向う道中、母方のふたりの叔母と母は姉妹談義に華を咲かせている。ほとんどが彼女たちの知人のうわさ話なのだけれど、そのひとつひとつが新鮮に面白くて、かつての村の語り部はかたちを変えて郊外に存在することを知る。すべてのお話を記憶しておいて、遠野物語ならぬ宇都宮物語を書きたいぐらいに、彼女たちのストーリーテリングは面白い。
本家では、のら猫がまるで我が家であるかのように泰然と佇んでいる。軒先で雨の音を聞きながら、静かに彼は何を想う。
祖母にお線香をあげて、本日は慌ただしいことに日帰り。帰りの電車では、姉とぼくより年下の姉の恋人と一緒に。
駅から自宅への帰り道、雨に気をとられて寂しいことさえ忘れて歩く。ゴウーンと雨に籠って、修禪寺の暮六つの鐘が、かしらを打つと、それ、ふツと皆消えた。ような気がした。今日は久しぶりに銭湯に行こう。たまには一人でお酒でも飲もうかしら、などと思ったり。
夏休みになって初めての外出。下北沢へ。
ヴィレッジ・バンガードへ。高浜寛の初めての短編集『イエローバックス』と、以前に誰かが面白いと言っていたのを思い出して坂辺周一の『ティッシュ
』全二巻を購入。早速お茶を飲めるところへ行って読む。『ティッシュ』は、この種のサスペンスにマヒしているのか、それほど怖くはなかった。『イエローバックス』は評判以上に面白かった。一番最初に収録されている「最後の女たち」でいきなりやられた。次回作がとても楽しみな人を見つけた時の嬉しい感じ。
夜、お友達とお酒を飲みに。とはいえ、お友達はお酒を飲まないので、ひとりであほほど飲みまくり。お酒は弱いので、すぐに酔っぱらってしまうのです。ここ最近、お酒を飲む機会があまりなかったのと楽しかったのとで、なんだかべんらべらとしゃべりまくったような。いやはや、お酒はほどほどに。
帰ろうとしたら雨が本降り。とめておいたバイクのヘルメットは雨でびしょびしょに。全身ずぶねれで朝五時過ぎに帰宅。眠ろうかと思ったけれど、なんだか目が冴えていたので、そのまま『クライム・アンド・パニッシュメント』を観る。一応「現代版『罪と罰』」ということになっているのだけれど、それがなければ普通に観れる映画なのになあ。残念だけれど、サバービア映画のおもしろさは全く味わえなかった。