
ふう。買っちゃった。『真・三國無双2』。一緒に『三國史戦記』も買っちゃった。攻略本も買っちゃった。わき目も振らずに家に帰って部屋着にすら着替えないでそっこーでプレイしたのですが、もうやばいぐらい面白くて、ぼく、生まれて初めてです、ゲームで親指の感覚なくなったの。すげー連打するから。二月の下旬には3も出るから、それまでに攻略しなくてはいけないので、毎日がとても忙しいのです。
ゲームをやっていたら無性に『三国史』が読みたくなったので、押し入れの奥から横山光輝版『三国史』をひっぱり出して読み始めたのですが、これが死ぬほど面白くて六十巻一気読みしてしまいました。それで漫画喫茶に行って、『蒼天航路』を読んでさらに三国志気分を満喫して気分はもう国取り合戦って感じでどんどん盛り上がってしまい、今では自分と関羽の区別がつかなくなってしまいました。今町に出たら危険です。やくざとかと喧嘩しそう。名乗りとか上げて。やあやあ我こそは劉玄徳が義弟関羽雲長なり我と思わん者は出て来るが良い青龍偃月刀の錆にしてくれようぞ
それで、今月号の『ダ・ヴィンチ』の特集が「三国志」だったので、先月に引き続き買っちゃいました。横山光輝の『三国志』の総売り上げ、6500万部ですって。6500万ですよ、65000000。うへー。やっぱ歴史物強いなー。

「三国志占い」で占ったところ、ぼくは「麋竺子仲」だそうです。玄徳に仕えた文官。つまらない。
なんだか最近、Alex Greyがやたらとお気に入りなのです。ぼくのパソコンの壁紙には、彼の作品を使用しているのですが、初めて見た人は大抵ひきます。でも、かっこよくないですか?
この人、作品を見てもらえばわかると思いますが、ばりばりの神秘主義者でして、チベット密教、超心理学(!)などの精神世界、解剖学(ハーバード大学医学部の解剖学博物館に勤めた経験もある)、さらに自らの神秘体験をもとに作品を制作しています。
以前に雑記で書いたかもしれませんけど、「ZIG ZAG ZEN」という本のアート監修なんかもやっておりまして、その本の中でも文章を書いているのですが、自著のなかでもばりばりにその神秘主義っぷりを書き記しております。こんな感じ。
それはまるで、「真の」物質界は錯覚のベールに包まれ、いまそのベールがはがされると、因果関係と創造のエネルギッシュな足場、究極のリアリティーである永遠と無限がわたしたちの前に、わたしたちを通して、あからさまにあばきだされているように思えた。過去と未来、小宇宙と大宇宙、雄と雌、自と他といった両極性がすべて衝突もなく合体し、超越している。といって、意識が消滅することもない。もちろん、わたしたちはそれぞれ、この状態が自分の純化した自己そのものであると感じた。「わたし」とは、その広大なネットワークのある一点で、その領域全ての点と「わたしの」ユニークな関係をつくっている。その格子状の光が発する地面となっているのは、無限の空(くう)らしい。わたしたちふたりは、宇宙のすべての生物や無生物、つまり「神」と自分たちが、決定的につながっていることを理解した。「光」がわたしたちのスピリチュアルな核であり、この格子の領域にある深遠に超越した至福へと最終的に帰っていくのだから、死を恐れるには及ばないのだと感じた。
典型的な神秘主義者の弁ですね。作品は面白いのに、書いていることはじぇんじぇん面白くなーい。

一度で良いから、このような神秘主義の方とお話をしてみたいものです。どぜう鍋でもつつきながら、熱燗をキュッとやって。
ご存知のお方もいらっしゃると思いますが、安原顯さん、通称ヤスケンがお亡くなりになりました。
安原顯さんは編集者、書評家として名を馳せた方でして、ここ数年はオンラインブックショップBK1の編集長として「ヤスケンの編集長日記」などの連載で活躍されておりました。十月二十九日の「編集長日記」で余命一ヶ月という癌宣言を行ったことを、ぼくは「本のメルマガ」というメールマガジンで知ったのですが、それ以降も、病苦に耐えながら本を読み書評を書き評論を書き続け、1月20日に肺癌のため永眠されました。
ぼくがこの方の名前を知ったのは、坪内祐三氏の『文学を探せ』に収録されている「インターネット書評誌の私物化を『ぶっ叩く』」という、安原さんを批判したコラムを通じてなので、いまいち印象が良くなかったのですが、死をかけてまで仕事に従事したその姿勢に敬意を表すると共に、御冥福をお祈りします。黙祷。
