
なんだか最近、Alex Greyがやたらとお気に入りなのです。ぼくのパソコンの壁紙には、彼の作品を使用しているのですが、初めて見た人は大抵ひきます。でも、かっこよくないですか?
この人、作品を見てもらえばわかると思いますが、ばりばりの神秘主義者でして、チベット密教、超心理学(!)などの精神世界、解剖学(ハーバード大学医学部の解剖学博物館に勤めた経験もある)、さらに自らの神秘体験をもとに作品を制作しています。
以前に雑記で書いたかもしれませんけど、「ZIG ZAG ZEN」という本のアート監修なんかもやっておりまして、その本の中でも文章を書いているのですが、自著のなかでもばりばりにその神秘主義っぷりを書き記しております。こんな感じ。
それはまるで、「真の」物質界は錯覚のベールに包まれ、いまそのベールがはがされると、因果関係と創造のエネルギッシュな足場、究極のリアリティーである永遠と無限がわたしたちの前に、わたしたちを通して、あからさまにあばきだされているように思えた。過去と未来、小宇宙と大宇宙、雄と雌、自と他といった両極性がすべて衝突もなく合体し、超越している。といって、意識が消滅することもない。もちろん、わたしたちはそれぞれ、この状態が自分の純化した自己そのものであると感じた。「わたし」とは、その広大なネットワークのある一点で、その領域全ての点と「わたしの」ユニークな関係をつくっている。その格子状の光が発する地面となっているのは、無限の空(くう)らしい。わたしたちふたりは、宇宙のすべての生物や無生物、つまり「神」と自分たちが、決定的につながっていることを理解した。「光」がわたしたちのスピリチュアルな核であり、この格子の領域にある深遠に超越した至福へと最終的に帰っていくのだから、死を恐れるには及ばないのだと感じた。
典型的な神秘主義者の弁ですね。作品は面白いのに、書いていることはじぇんじぇん面白くなーい。

一度で良いから、このような神秘主義の方とお話をしてみたいものです。どぜう鍋でもつつきながら、熱燗をキュッとやって。
ご存知のお方もいらっしゃると思いますが、安原顯さん、通称ヤスケンがお亡くなりになりました。
安原顯さんは編集者、書評家として名を馳せた方でして、ここ数年はオンラインブックショップBK1の編集長として「ヤスケンの編集長日記」などの連載で活躍されておりました。十月二十九日の「編集長日記」で余命一ヶ月という癌宣言を行ったことを、ぼくは「本のメルマガ」というメールマガジンで知ったのですが、それ以降も、病苦に耐えながら本を読み書評を書き評論を書き続け、1月20日に肺癌のため永眠されました。
ぼくがこの方の名前を知ったのは、坪内祐三氏の『文学を探せ』に収録されている「インターネット書評誌の私物化を『ぶっ叩く』」という、安原さんを批判したコラムを通じてなので、いまいち印象が良くなかったのですが、死をかけてまで仕事に従事したその姿勢に敬意を表すると共に、御冥福をお祈りします。黙祷。

■6.7GBのデータを約1万1,000キロの彼方に1分で送信〜Internet2で新スピード記録達成
もう、すごくないですか、技術。6.7GBを一分ですよ。転送速度も早いけど、技術の進歩も早すぎます。ついていけなあい。
などと驚いてはおりますが、あと十年もすれば、6.7GBを一分で転送なんて状況にもすっかり慣れてしまい、なにも感じなくなっているのでしょうねえ。個人的な意見ではありますが、技術はそろそろおしまいにして、もっと愛を謳歌するというのはどうでしょうか。あるいは、一度うんこになってみるとか。うんこになれば、少しは生活にゆとりもでるのでは。その恩恵に浴する身としては、技術批判をするつもりは毛頭ありませんが、6.7GBを一分で転送できることが当然だと思うような世界は困ります、ぼく。

あ、でも、転送速度が早くなって、パソコンの技術がもっと上がれば、三國無双でネット対戦できそう。しかも兵士は全部オンラインユーザなの。うわ、すげー楽しそう。それはやりたい。やべー。