「Segwayでアメリカ大陸横断」という記事を読みました。写真などをみるとわくわくします。オフィシャルサイトでルートをみると、ワシントン-アイダホ-ワイオミング-コロラド-カンザス-ミズーリ-イリノイ-インディアナ-ミシガン-オハイオ-ペンシルバニア-ニューヨーク-ワシントンと北部を横断してます。一日の平均走行距離60マイル(約97km)で三ヶ月ですって。一日200km走っても一月以上かかるのかー。ちゃりで横断するにしても、やはり二ヶ月以上は考えておいた方がよさそうですね。くっそー、行きてーなアメリカ。っていうかアメリカちゃりで走りてー。夢ばかり広がるモラトリアーム。
そういえば、先月号のEsquireの特集は『ディープ・サウス』でした。非常によろしい特集でしたね。William Egglestonの写真がめちゃかっこよかった。このWilliam Wgglestonさんは、『Faulkner's Mississippi
』というウィリアム・フォークナーの作品の世界を撮った写真集を出しているのですけれど、すっげー欲しい。
先日購入したRex Pickettの『Sideways
』という小説(表紙がちょーかっこいい)は、売れない作家と結婚間近かの俳優のふたりによる、ワイン・テイスティングの十日間の旅を描いたロードノベルです。これはロスからカルフォルニアへの自動車での旅なので、距離的には短いのですが、このロードノベルを読んでアメリカ走破の欲望を抑えましょう。ちなみにこの小説、映画『アバウト・シュミット
』の監督アレクサンダー・ペイン
が映画化しているみたい。
もしぼくがアメリカを横断するとしたら、間違いなく南部をルートに選びます。そして旅行を始めて三日で身ぐるみをはがされるのです。それが夢です。
ふと気がつくと、季節はすっかり秋、ひとりで街を歩いていると、吹く風も孤独に感じます。晩秋というやつですね。そういえば、誰かの小説で、『晩秋』という作品があったけど、あれは誰の作品だったかしら。シュティフター?彼が書いたのは『晩夏』だ。堀辰雄・・・も『晩夏』という短篇は書いているけれど、『晩秋』は書いていない。だれだっけ。北園克衛の詩のタイトルだったかな。うーん、なんだっけ。忘れた。などということを考えながら、そっと散歩をしました。
そして家に帰って北園克衛の詩集を読み返したら、『晩秋』という作品はありませんでしたが、彼の詩はやはりとんでもなくかっこよかった。北園さんの一番好きな詩は前に引用しているので、今度はヴェルレーヌを大好きな詩を引用してみましょう。
鈍い角度の天上から
月光の鉛の色が降っていた。
とんがり屋根のてっぺんから
もくもくと黒いけむりが切れ切れに
5の字の形に立っていた。
空は灰色に曇ってた。北風が
チェロの音色で泣いていた。
遠いところで寒がりの内気な牝猫が
泣いていた、妙にひ弱な声立てて。
僕はと言えば、歩いてた。
ガス灯の青い炎のまばたきが見おろす下を
大プラトンを、フィディアスを、
サラミナを、マラソンを夢想しながら。ヴェルレーヌ『パリ・スケッチ』
自転車で走っているときに見える風景と、散歩をしているときに見える風景って、どうしてあんなにも異なるのだろう。





