
Yahooで紹介されていた「このミステリーはすごくない!」というサイトが最高に面白い。こんな読書をする人と友だちになりたい。とにかく扱っている書籍のタイトルが最高。「やっつけ仕事で八方ふさがり」なんて、本屋で見掛けたら絶対買うでしょう。「バイク・ガールと野郎ども
」も最高、想像がふくらみます。ちなみにペーパバックの表紙はこれ。
他にも、紹介されているミステリは素敵なタイトル満載です。「ど田舎警察のミズ署長はNY帰りのべっぴんサ。」ってなに、これつくってるだろう、と思ってamazonでしらべてみたらちゃんとありました。
「俳優強盗と悩める処女」これ、絶対買う。ぼくが今頭の中で想像した「俳優強盗と悩める処女」と、この本とどちらが面白いか、楽しみです。
以下、引用
小生のリストから、作品の中身はともかく、好きなタイトルを選んでみた。
「あの血まみれの男は誰だ?」サイモン・ブレット
「お楽しみの埋葬」エドマンド・クリスピン
「やっつけ仕事で八方ふさがり」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「イモジェーヌに不可能なし」シャルル・エクスブライヤ
「毒入りタルトを召し上がれ」ギリアン・ロバー
「わたしにもできる銀行強盗」ジーン・リューリック
「泥棒は哲学で解決する」ローレンス・ブロック
「殺人をしてみますか?」ハリイ・オルズガー
「太陽の下、三死体」ジャック・サドゥール
「マダム・タッソーがお待ちかね」ピーター・ラヴゼイ。
どれもこれも素敵すぎます。タイトルが素敵と言えば、このサイトでは紹介されていませんが、パーネル・ホールのスタンリー・ヘイスティングズのシリーズのタイトルも、並べてみるとなかなか素敵です。 『探偵になりたい』『犯人にされたくない
』『お人好しでもいい
』『絞殺魔に会いたい
』『依頼人がほしい
』『陪審員はつらい
』『撃たれると痛い
』『俳優は楽じゃない
』『脅迫なんか恐くない
』『脚本家はしんどい
』『裁判はわからない
』『罠から逃げたい
』『サスペンスは嫌い
』『まっすぐな道で寂しい』『ちんこがかたい』『ブスほど彼氏ができるとうるさい』『金を払いたくない』『鳩は嫌い』などなど。ごめんなさい、最後の方は嘘です。
ところで、ぼくの友人には「すごくないミステリー」のことを、「つまらないミステリー」と混同している人がいますが(映画で言えばエド・ウッド的な)、このサイトでいう「すごくないミステリー」というのは、決して「つまらないミステリー」のことではなくて、清水谷宏氏の言葉を引用すれば、以下のようなミステリーのことです。
小生が出先でちょうど、昼飯時になったとしよう。たいてい目に付いた蕎麦屋かなんかに入り、ざる蕎麦でも注文することになる。一々メニューを見て、なににしようかと迷うこともない。サッサと食べて、サッサと店を出て、仕事をすることになるわけだ。
もちろん、店の名前なんかも、覚えてはいない。
小生にとって、ミステリーなんて、その程度のものだ。
うーん、かっこいい。
さっそく、何冊か買ってきたので、これから読みたいと思います。楽しみだ。

職場の方に、新しい自転車をいただいてしまいました。まさかこんなにすぐにロードバイクに乗ることができるなんて!少しのってみただけでも、自転車の軽さのせいか、めちゃくちゃ乗りやすい。これまで乗ってきたランナバウトは街乗り用に、これからはロードバイクで都内を奔走したいと思います。あー、本当に嬉しい!
夜、内倉宅で2004年ツール・ド・フランス観賞会をしました。まさかこのぼくがスポーツ観戦をする日がくるなんて。ある意味、記念日です。
その後、ピストきちがいと内倉くんとウエンズデイ・ナイトライドへ。ピストきちがいは本当のきちがいなので、ぼくがギアを変えると「てめえギア変えてんじゃねえ、ギアに甘えてんじゃねえ」と怒鳴ってぼくのバイクをがんがんに蹴り飛ばしてきます。そろそろ秋ですね、夜に走ると風がとても涼やかで気持ちいい。

甥と一緒に映画観賞。甥の希望で、『NARUTO〈ナルト〉/大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』を観に行きました。この種のアニメ映画を観るのは非常に久しぶりで、今も昔も物語の雛型は変わっていないのだなあと感心。
ところでぼくは、甥と接するときは常にポール・オースターの『ムーンパレス
』に登場するビクター伯父さんを意識しています。できれば一緒にいろんな国を発明するゲームをしたり、映画を観に行くのであれば本当は『八十日間世界一周
』などを観に行きたいと思ってるのですが、しかしそうなると、甥が二十歳ぐらいになったときに、クラリネットを組みたて途中に椅子に座ったまま死なくてはなりません。それはちょっといやだ。死なない程度に、ビクター伯父さんを見習っていきたい思います。
しかし『ムーン・パレス』って、本当に良い小説だよなあ。今まで読んできた小説の中で、まちがいなくベスト10に入るぐらい大好きです。
僕は長いあいた浜辺に立って、日の光の最後の一かけらが消え去るのを待った。背後では町がいつもの生活を続け、二十世紀後半のアメリカの、聞き慣れたいろんな音をたてていた。沿岸の曲線を見下ろすと、家々の明りが一つまた一つと灯るのが見えた。やがて、丘の向こうから月が上がった。満月の、焼け石のように丸く黄色い月だった。夜空に上がって良く月に僕はじっと視線を注ぎ、それが闇のなかにみずからの場を見出すまで目を離さなかった。ポール・オースター『ムーン・パレス』