05年03月06日(日)

 目を覚ましたら午後二時。せっかくの休日に昼まで寝るなんて、なんというテイタラク。だれかぼくを殴ってください。

 嘆いていても仕方がないので、リュックに本をつめこんで、吉祥寺のカフェへ。そのまま三時間ほど読書。本日は、亀井俊介著『アメリカン・ヒーローの系譜』を読みました。アメリカン・ヒーローといっても、コミックのスーパーマンなどのヒーローではなく、アメリカ大陸に伝わる実在・非実在のヒーローのことです。この本は、アメリカの国民の間で語り継がれているヒーローたちをとりあげて、彼らにまつわる伝説の誕生とその内容が移り変わっていく変遷を、民俗学的に検証しています。取りあげられているヒーローは、ワシントン、リンカンなどの政治家から、ダニエル・ブーン、マイク・フィンク、デイヴィ・クロケット、ジョニー・アップルシードなどの開拓史のヒーロー、ジョン・ヘンリー、ポール・バニヤンなど架空のヒーロー、ジェシー・ジェイムズやビリー・ザ・キッド、カラミティ・ジェーンやバッファロー・ビルなどのデスぺラードなどなどなど。

 日本の昔話や伝説なんかもそうだけど、人々によって口承で伝えられた物語というものは、伝承するたびにそれを伝える側の願望や嗜好が加わって変化していくので、話の内容が極端に誇張されていきます。クロケットなんて実在の人物なのに、その伝記はまるでラブレーの『ガルガンチュワ物語』のように極端な物語に変わってしまっています。それがとてもおもしろい。人と歴史にもみくちゃにされてきたこの種の物語を読むと、その力の強さに圧倒されます。

 この間、久しぶりにコーエン兄弟の『ファーゴ』を観ました。この映画では、ポール・バニヤンの像が何度も効果的に登場します。『アメリカン・ヒーローの系譜』には、バニヤンの故郷の具体的な場所は書かれていなかったけれど、映画の舞台のひとつであるプレイナードがバニヤンの故郷ということになっているそうです。

うーん、アメリカの民俗学の本を読んでみたいな。


Sub Content

雑記書手紹介

大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

最近の日記

過去の日記

鉄割アルバトロスケットへの問い合わせはこちらのフォームからお願いします

Latest Update

  • 更新はありません

お知らせ

主催の戌井昭人がこれまで発表してきた作品が単行本で出版されました。

About The Site

このサイトは、Firefox3とIE7以上で確認しています。
このサイトと鉄割アルバトロスケットに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームまでお願いします。
現在、リニューアル作業中のため、見苦しい点とか不具合等あると思います。大目にみてください。

User Login

Links