

それにしても『ビフォア・サンセット』は本当に良い映画でした。一日三回は思い出します。そういうわけで、サントラを購入しました。これで一日に五回は思い出します。ニーナ・シモンの『Just in time』が収録されていないのにはがっくりきましたが、ジュリー・デルピーの歌声が心に響きます。毎朝、うんこしながら聴いています。
先日読んだ『アメリカン・ヒーローの系譜』があまりにも面白かったので、同じ人が1976年に書いた『サーカスが来た!アメリカ大衆文化覚書
』を購入しました。いやー、これも面白い。本当に面白い。
特に興味を魅かれたのが、19世紀に登場したダイムノベルという10セントで売られていた大衆小説のこと。当時の有名人や伝説の人物について、あるいは西部の現状などを面白おかしく、さらにかっこよく書いた小説で、クロケットやバッファロー・ビル、カラミティ・ジェーンなどが、実際の人物像を越えてほとんど伝説化した有名人になったのは、これらの作品が普及したことによるものだそうです。20世紀のパルプフィクションやハードボイルドノベルの先駆けみたいなものだと思うのですが、紹介されているダイムノベルが全部面白そうで、ぜひとも読んでみたい。
ダイムノベルの作者たちは個性の強い人が多いですが、中でも気になったのがネッド・バントラインという人。一ダース以上のペンネームで400編以上のダイム・ノベルを書いたこの人、トム・ソーヤの物語にも、トムの愛読書の作者として登場しています。なにかネタはないかなーと西部を徘徊し、そこで活躍していたウィリアム・コーディー(通称バッファロー・ビル)に目をつけて、彼をモデルにしたダイムノベルを書いて彼を人気者にし、その後は彼を主人公にしてお芝居(サーカス)まで作ってしまい、しまいには自分も出演しています。魅力的。酒を飲みながら禁酒運動の講演を行ったりするかなりふざけた人物であったそうですが、コルト・バントラインスペシャルという拳銃は、この人がワイアット・アープにプレゼントした拳銃なんですって。
ロバート・アルトマンの『ビッグ・アメリカン』という映画は、ネッド・バントラインとバッファロー・ビル、そしてシッティング・ブルの関係を描いた作品だそうです。観てみたいのですが、どのビデオレンタル屋さんに行っても置いていません。