
03年07月26日(土)
うーん。今回の鉄割に出ないことにしたのは良いのだけれど、出なけりゃ出ないで暇だ。週末にひとりでいるのはなんとも言えず孤独だぞう。
先日、古本屋さんで100円で購入した『レイモンド・カーヴァーの子供たち』。全く期待せずに購入したのだけれど、これがとても面白い。まだ半分ぐらいしか読んでいないけれど、いまのところはずれがない。収められている作家のうち、名前を知っているのは約半分、残りの半分は初めて聞く名前ばかり。彼らは現在も作家として活躍しているのかしらと思って調べてみると、例えば、今のところ一番面白かった作品『翻訳家』を書いたミッシェル・ハーマン(Michelle herman)は、二冊の著作を発表しているけれど、作家というよりは大学の教師や編集者として活躍しているらしい。翻訳は一冊もされていない。残念。
夜、『おくのほそ道』を読む。昔はこの良さがわからなかったけれど、今あらためて読むとじんじんくる。冒頭がとくに素晴らしい。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅をすみかとす。
古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣をはらひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかず、股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、
草の戸も住み替はる代ぞ雛の家
表八句を庵の柱に懸け置く。
うーじんじん。
「おくのほそ道」の旅程をFlashムービーでたどるこんなソフトが発売されるらしい。これ、欲しい。安いし。買おう。