02年04月18日(木)
バロウズと言えば、イギリスの作家に自他共に認めるバロウジアン、ウィル・セルフがいます。

と、書こうと思ってウィル・セルフのサイトを久しぶりに覗いたら、バロウズの「Junky」に関するエッセイが公開されていました。
これは、ペンギンブックスの新装版「Junkie」のイントロダクションとして書かれたものらしいです。

ウィル・セルフは、日本ではあまり翻訳がされていないので知名度は低いですが、英米ではもはや相当に著名な中堅作家です。

良く言われるのは「洗練された悪趣味」「J.G.バラードとデイビッド・ロッジとバロウズを足してさらに2をプラスしたもの」などなど。

現在翻訳されている作品は

コック&ブル 白水社
コック(感傷的恋愛小説)とブル(茶番劇)の二つの中編からなる作品集です。
コックはちんちんの生えた人妻のお話、ブルは左ひざにまんこが出てきたラガーマンのお話。
この種の作家の翻訳でおなじみの渡辺佐智江さんの訳でして、コメディとしてとても面白い小説です。
こういう話を書くのって、ひとつ間違えればとてつもなく陳腐なものになってしまうと思うのですが、ウィル・セルフの作家としての手腕も、渡辺佐智江さんの翻訳の手腕もとても素晴らしくて、評判も結構なものです。

尺度(スケール)イギリス新鋭作家短編選」新潮社
これ、僕は個人的に相当衝撃を受けた作品なのですが、全然話題にならないですね。
以下が始まりなのですが、

バランス感覚をなくしてしまう人もいる。私の場合、尺度(スケール)の感覚をなくしてしまったのである。昨夜遅くロンドンから帰宅途中、ジャンクション2への最後の出口表示から退出路までの距離が、にわかに判断できなくなってしまったのだ。たしかに霧は深かったし、対向車のまぶしいヘッドライトが、広がる後光を私の視界に焼き付けもした。でも判断を容易にするよう、三つ連なった長方形の標識がそこにはちゃんとも受けられている。

凄くないですか、この文章。こんな感じに始まって、こんな感じにどんどんと話が進んでいきます。まあ、麻薬作家のお話なのですけど。

セポイの反乱 ユリイカ97年11月
読んでいないので、分からないです。だれか持っていたら貸してください。

北ロンドン死者の書 「夜の姉妹団」朝日文庫
もう最高。
死んだお母さんを町で偶然に見かけ問いただしたところ、実は死んだ後にロンドンの別の場所で暮らしていたという事実を知るお話。

現在翻訳されているのは、これぐらいだと思います。僕の知るかぎりでは。

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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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