
03年09月07日(日)
奥秩父の二子山へ行ってきました。
電車を乗り継いでバスに揺られて、三時間以上かけてようやく登山口に到着したと思ったら雨がふっておりまして、雨といっても小雨程度、霧雨に近いような状態だったので、とりあえず行けるところまで行って下山するつもりで登り始めました。登山客はぼくの他にはひとりもいません。それもそのはずです。業者が伐採作業をするために、通行止めで途中までしか行くことができないのです。うー、下調べを怠った罰です。仕方がないので、行ける所まで行きました。
上級者向けと言われる東岳は、雨で岩がつるんつるんだったこともあり、頂上まで登ることは出来ませんでしたが、途中の展望が広がるところまではどうにか辿りつきました。霧が深くて展望はほとんど楽しめませんでしたが、奥深い山の端にひとりで佇んでいる自分を想像したら、まるで天平の頃の名も持たぬ山に鷹を追い熊を射て、前に歩かれることもなく、先に歩かれることもないような山の道をたどってようやく霞食う仙人の寝床にたどり着いた行者のようなこころもちになってしまい、気持ちだけは聖でも雨を遮る場所はなく、食事を楽しむことも休憩を取ることも儘ならず山のあちらこちらを何度も往復して、午後三時ぐらいに下山いたしました。バスが来るのは四時半、全身びしょぬれのまま、一時間半ほどうたた寝をしたら少々風邪を引いたようで、再び三時間かけて帰宅して、おしまい。
山に対しての気持ちが少し緩んでおります。身を引き締めて、次回の登山へ。