
03年09月21日(日)
なにやらスタジオで撮影を致しました。その後に、昭の字の宅で先日の新潟公演のビデオや、昔の鉄割のビデオなどを拝見。まるで遠い過去のよう。
帰宅して、夜に昇降運動をしながら『チル CHILL 』を観ました。休暇に訪れた田舎の別荘で、幸せな家族が地元の人間にひどい目に会うという『ファニーゲーム』のような映画かと思っていたら、全然違いました。カナダ原住民の間に伝わるウェンディゴの霊魂と、他人には見えないものが見えてしまう少年、そして両親とその両親に屈折した思いを抱く地元の猟師がそれぞれに絡み合って物語は進行して行くのですが、意外なラストにおったまげました。ええ、これで終わりい?みたいな。でも、このような肩透かしでカタルシス完全無視の燃焼不良映画って、ぼくは結構好きです。
この映画の原題でもある「ウェンディゴ(Wendigo)」の言い伝えというものをまったく知らなかったので、調べてみました。
■ウェンディゴ憑き(WINDIGO PSYCHOSIS)——狂気の一形態——
『チル』では、ウェンディゴはひとつの存在として語られていましたが、上のサイトによるとウェンディゴ憑きというものがあるらしく、ウェンディゴに取りつかれた者は、最終的には人としての理性を失い、人肉を欲しがるそうです。
罹った人物は当初は単に気持ちが塞いでいるだけのように見えるのだが、やがて常軌を逸し通常の食事を拒むようになる。患者は人肉(特に自分の家族の)を食べることで頭が一杯になり、自分の周りの家族たちが動物に見えるような幻覚さえ引き起こす場合もあるという。その後、言語能力も失われ、外見も気にしなくなり、自分の指や唇を噛んだりすることさえある。また、野生的な気分変動(訳注:躁鬱病などに主に見られるもの)を経験し、自分の内臓は凍り付いていると主張する者さえいる。
たんなるシャブ中のように読めなくもないですが、人肉を食べたがるという点が気になります。これらのウェンディゴ憑きに関する民俗学的な成立経緯を調べたいなあ。カナディアン・インディアンの伝統に、カニバリズム的な儀式でもあるのかしら。