
本を買うのが好きなので、少しでも読指が動けばすぐに買ってしまいます、けれども、読みません。読まないでどうするのかといえば、棚にしまいます。棚にしまうと、大抵の場合そのまま忘れてしまい、本屋に行ってまた買ってしまいます。そういうわけで我が家には同じ本が二冊も三冊も四冊もあります。良くありません。お金の無駄ということもありますが、それよりも本を読まないということが良くありません。既に読んだ本を間違えて買ってしまうのであれば、まあ面白いから仕方がないと諦めも付きますが、読んでいない本を二冊も三冊も買ってしまうと、万が一それがつまらないものだと、お金と時間の無駄ということになってしまいます。ですから、買った本をとにかく読もうと、未読の本を一ヶ所に集め、新しい本を買ったときはそこに積み上げ、読み終えたものだけを棚へしまうことにしました。ところが、これがまた良くない、積み上げるとそれらの本をすべて読んだかのように錯覚してしまい、まるで自分が読書家であるような、快い気持ちになってしまうのです。積み上げれば積み上げるほど、嬉しくなります。そういえば数年前、まだ学生の頃にも同様のことを試みて失敗したことがありました。その時も購入した本を積み上げて、それを読み終えるまで次の本を買わないなどと決心したものの、積み上げた本が嬉しいだけで一向に読むこともなく、ただ単に積み上げたいという理由だけで無用の本を買ったりして、結局、それらの本はほとんど読まずに棚へしまい込み、引っ越しの際に二束三文で古書屋さんへ売り払ってしまいました。数年経って、また同じことをして同じ失敗をするのでしょうから、成長しないこと甚だしい、おそらく数年後にも同様のことを思いついて、同じ失敗をして、死ぬまでそれを繰り返すのでしょう。良くありません。本当に、良くありません。