03年11月07日(金)

 夜中に『ノラや』を読んで、やはり泣いて、いつの間にか寝て、起きて家を出て電車の中で読んだら泣いてしまいそうなので読むのを止めていたのだけれど、思い出してやはり涙が出てくる。ノラを思う内田のじいさんのことを思うと悲しいのは当たり前だけど、家を出たノラがもしや迷子になって家に帰ることが出来ずに、内田さんや内田の奥さんのことを思って鳴いているのではないかと思うと、本当に悲しい。見たことも抱いたことも一緒に暮らしたこともないノラのことを思うだけで、これほどまでに悲しい気持ちになるのだから、ましてや共に生活をしていた内田のじいさんと奥さんはの悲しみはいかほどなのだろう。

猫は煙を気にする様である。消えて行く煙の行方をノラは一心に見つめてゐる。彼がもつと子供の時は、家内に抱かれてゐて私の吹かす煙草の煙にちよつかいを出し、両手を伸ばして煙をつかまえようとした。しかし今はもう一匹前の若猫だからそんな幼穉な真似はしない。ぢつと見つめて、消えるまで見届ける。
「こら、ノラ、猫の癖して何を思索するか」
「ニヤア」と返事をしてこつちを向いた。

 夜、看護婦さんたちとお酒を飲みに下北沢へ。阿呆ほど酔っぱらって気持ち良く、二件目へ、梅酒をがぶ飲み、とても楽しい会でございました。また遊びましょうね。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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