
05年02月03日(木)
最近はいつでも、外出するときのバックの中に武田夫妻の本をしのばせています。泰淳さんの随筆は『目まいのする散歩』、百合子さんの日記は『日日雑記
』。ともに以前に読んでいる作品ですが、読むだけで自分のまわりの世界が少しづつ良いものになっていくような気持ちがする作品は、何度読み返しても良いものです。
ニセモノみたいな見事な満月を、テレビで見ていた。月のへこんだ黒ずんだ場所には、もう全部名前がつけられてしまっているのだそうだ。アメリカがつけたにきまっている。
三輪山の背後より不可思議の月たてり
はじめに月と呼びしひとはや(山中智恵子)
わたしは、この歌好きなんだなあ。映画『2001年宇宙の旅』のはじめの方に出てくる、洞窟に住み、まだ体毛が生えていた頃のヒトに戻った気持ちがする。
『日日雑記』より
断言します。ぼくは死ぬまで武田百合子さんが大好きです。