02年12月05日(木)
ビートたけしが雑誌『サピオ』で連載している『哀国愛国 唯我毒論』の第四回で、核保有国であるアメリカが、イラクや北朝鮮に対して大量破壊兵器の査察を要求していることに言及し、アメリカの「独占欲」について映画を例に挙げて書いています。
たけしによると、アメリカという国では、字幕で映画を観るという習慣が一部のインテリを除くとあまり浸透していないため、吹き替え版を作るのであれば、いっそのことリメイクしてしまえという考え方をするそうです。他国の良い映画を自国に輸入する際に、そのまままるごと自国のものにしてしまえ!というわけですね。ちょっと例を挙げると、『オープン・ユア・アイズ』は『バニラスカイ』に、『ニキータ』は『アサシン』に、『ゴジラ』は『Gozilla』に、『赤ちゃんに乾杯』は『スリーメン&ベビー』に、『用心棒』は『ラストマン・スタンディング』に、『さよならの微笑』を『今ひとたび』に、(通常のリメイクとはちょっと違うけど)『太陽がいっぱい』を『リプリー』に、などなど。でも、モノマネとかパクりではなくて「リメイク」なのですから、別にかまわないのではないですかね。
上に記事でも書いてありますが、昔はアメリカの発明したものを改良して日本が儲ける、という図式が一般的だったような気がしますが、実は日本もなかなか捨てたものではないのです。日本が誇るのは、マンガやアニメやオタクだけではないのですよ。けれども、最近の安易な日本文化礼賛はちょっと考えものです。日本文化は素晴らしいと単に声高に叫ぶだけではなく、もっと自然に生活に浸透するような活動をして欲しいと、一体ぼくは何のことを言っているのか自分でも良く判らないのですが、そう思うわけです。日本の文化は世界的に見ても素晴らしい文化なのですから。