
04年06月10日(木)
明日からの旅行にそなえてというわけではないけれど、堀辰雄の『大和路・信濃路』を読みました。もう何度読んだのか知れないほどに読みかえしたこの随筆(と恋人への手紙)は、今でも読む度に新しい感動を与えてくれます。ぼくにとって、とても大切な一冊。今の時代では、堀辰雄と言う作家はダサい作家の分類に入っているのかもしれませんが、ぼくはあらゆる意味において、未だにこの方の影響から抜け出すことができません。『雪の上の足跡』なんて、ほとんど暗記できるほどに読んでいるけれど、何度読んでも涙なくしては読めましぇん。こんなキザなチビが身近にいたら、絶対にいじめてしまうと思いますけれど。
さあ、わたしもあの石仏のことは何もきいておりませんが、どういう由緒のものですかな。かたちから見ますと、まあ如意輪観音にちかいものかと思いますが。……何しろ、ここいらではちょっと類のないもので、おそらく石工がどこかで見覚えてきて、それを無邪気に真似でもしたのではないでしょうか?『大和路/樹下』
「石工がどこかで見覚えてきて、それを無邪気に真似でもした」ような石仏に、奈良で出会えますように。そして恋人に手紙を書きましょう。未来の恋人に。