
イザナギ・イザナミの二神を祀っているところからその名が付いたと言われる両神山は、深田久弥氏の『日本百名山』によれば、元はヤオガミと呼ばれており、それが八日見(ヨウカミ)と宛字され、さらに竜神山(リュウガミ)に、最後に両神(リョウガミ)山へと変遷していったという。つまり、先に両神山という名が誕生し、後に名に合わせて二神を祀るようになったのだ。初めに名ありき。名に実が伴う。その山に今日、登る。
六時起床。六時四十五分の電車で所沢へ。所沢で特急に乗り換え、約一時間で西武秩父駅に到着。乗客がぼくひとりのバスに乗り、インディアンのリザベーション然とした秩父の村を過ぎて、日向大谷へ。あまりにも天気が良すぎるのでSoak up the sunなんかを口ずさみながら。
両神山の山頂に行くには、いくつかのコースがある。今回ぼくが選んだのは、日向大谷から入って、坂本に出るという少しハードなコース。出発に日向大谷を選んだのは、途中の石仏を拝したかったから。出口に坂本を選んだのは、上級コースを経験しておきたかったから。
コースタイムは以下の通り。
日向大谷(9:40) - 会所(10:10)- 清滝小屋(11:08)- 十分休憩 - 山頂(12:20) - 十分休憩 - 東岳(13:00)- 八丁峠(14:10) - 坂本(16:30)
坂本の終バスが16:39分だったが、ぎりぎりで間に合った。どうして八丁峠から坂本まで二時間以上かかったのかといえば、途中で道を間違えてえらく遠回りしてしまったからで、それさえなければ初心者としてはまあまあのタイムだと思う。
岩場とか鎖場とかを初めて経験したけれども、めちゃくちゃ楽しかった。落ちたらケガするだろうし、下手すりゃ死ぬわけだから怖かったけれども、アスレチックをしているような気分。そのうち痛い目を見そう。
BGMとして、いつものBTBとかColdCutとか、藤井君にかりたPWEIとか、ムラジとかいろいろ持っていったけれども、意外に良かったのがAOAの「SURFIN’ ALRIGHT」だった。曲の隙間から時折聞こえる両神山の音とAOAの音楽がかなり良い感じにマッチしていて、とても気持ち良かった。AOAを聴きながら岩場なんかを下っていると、どこか遠くの方へ飛んでいけそうな気がして。
帰り道、二子山が常に視界に入る。目をそらしても視界に入る。ぼくを挑発しているのか。よし、近いうちに登ってやるぞう。
そんで今回の山の写真です。面白味のない写真で恐縮です。
夜、三軒茶屋へ。初めての方々と飲む。山の興奮さめやらぬまま、うんことかセックスとかのお話を。いつもとは違う面子で、とても楽しかった。飲んでいる最中に、筋肉痛でお尻が痛くなり始める。