03年08月11日(月)

 起床。朝食にチーズをのせたトーストとバナナ。最近、フルーツをたくさん食べているせいか、お通じとてもよろしい。

 バースが『尽きの文学』で言及しているボルヘスの『ドン・キホーテの著者、ピエール・メナール』が読みたくなったので、本棚をあさって『伝奇集』を探したけれど見つからない。仕方がないので図書館に行ったところ、なんとお休みではありませんか。しかも今週いっぱいはお休みらしい。悲しい。

 六十年代のアメリカ文学のことを調べていて、マルカム・ブラッドベリの『現代アメリカ小説—1945年から現代まで』などを読んでいるのだけど、六十年代と今の社会状況って、あまり変わらないというかむしろ似ているように思う。六十年代に崩壊したはずのパクス・アメリカーナは九十年代を通して見事に復活しているし、世界中の多文化主義に反するかのようにアメリカだけがグローバリズムを提唱し続けている。六十年代のポストモダン小説の発生の背後に、六十年代のケネディの暗殺というスイッチがあったとすれば、現代にもそれに匹敵するほどのアメリカ国民の価値観を揺さぶる事件が起こっている。六十年代と現在の文学的状況で決定的に異なるのは、作家のほとんどが実験的な文学作品の退屈さに気付いているという点で、価値観の変革時に反動として誕生する実験的な作品は、ある一部の傑作を除いて、ほとんどの作品が自己満足的なうんこになってしまうということを彼らは経験的に知っている。もちろん彼らも、それらの実験的な作品が次の世代の新しい文学が誕生する布石になっていることは否定しないだろうけれど。

 夜、『アート・オブ・エロス』シリーズの『ホテルパラダイス』を観る。とても面白かった。『ホテル・パラダイス』はニコラス・ローグ監督の作品。明日に結婚式を控えた花嫁さんが、朝起きたらホテルの一室に男と寝ていてやっべーという話。男のロマンチックな話術に、花嫁がどんどんおちていく。『ブルーン・ブルーン・ブルーン』はメルヴィン・ヴァン・ピーブルズが監督の黒人映画。ブードゥーの呪術師を助けたもてない君、そのお礼に女性に変身するバイクをもらう。あまりにもださすぎて面白かった。『エレファント・ネバー・フォゲット』の監督はデトレフ・バック。ドイツ映画。事故った夫人を助けた小人病の象使いが、そのお礼に夫人にセックスを要求する。この三本の中では、これが一番良かった。一番えろかったし。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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