
03年08月18日(月)
本日よりお仕事始め。もちろん身に入りません。ああ、休みぼけ。。
夜、『竜馬の妻とその夫と愛人』を観ました。
いやー、泣きました。典型的な日本人男子の意見で申し訳ありませんが、わたくし、坂本龍馬を心の底から尊敬しておりまして、そのような人間の常ではありますが、大抵の映画や小説や漫画で描かれる坂本龍馬像がどうにも赦せません。それは、自分の中で思い描く坂本龍馬というものが余りにも具体的すぎるのと思い入れが強いせいなのでしょうけれど、そのような理由から龍馬さんに関連するものは出来るだけ観ないようにしています。
『竜馬の妻とその夫と愛人』がとても良かったのは、龍馬さんが一度も登場しないところでして、映画の中で龍馬さんは、人々の思い出の中にだけ登場します。龍馬さん以外の人物がどのように描かれていようとそんなの知ったこっちゃないのでどうでも良いのですが、彼らのひとりひとりが、彼らの中の龍馬さんの思い出を語るのを聞いていると、共通の好きの人の話を友達としているような、そんな幸せな気持ちになってしまうのです。会ったことないのですけど、ぼくの中ではとても大事な人ですから。
物語は、はっきり言ってしまえばただの恋愛コメディ映画なのですけれど、坂本龍馬というとんでもない男の女房だった女に惚れた西村松兵衛がとてもおかしくて、とても悲しくて、死んだ夫を絶対に忘れることのない女性を愛するなんて、考えただけでも辛いじゃないですか。でも松兵衛さんは、夫をないがしろにして、勝手気ままに生きるおりょうさんに対して、「あいつは布団の中でいい匂いがするんだよねえ。だから好き」みたいなことを言うのです。これってすごくわかります。人を好きになるって、こういうことなんですよねえ。