
02年10月14日(月)
『レス・ザン・ゼロ』に続くブレット・イーストン・エリスの第二作目、『ルールズ・オブ・アトラクション』が映画化されました。これで『レス・ザン・ゼロ』から『アメリカン・サイコ』までの初期の三作品は全部映画化されたことになるのかしら。
相当に楽しみなのですが、ここやここやここ辺りののレビューを観ると、かなり評価が低く、不安になってしまいます。まあ、でもねえ、映画ばかりは自分の目で観てみないとなんとも言えませんから。
最近思うところあって80年代のアメリカ文学をランダムに読んでいるのですが、ださいださいと思っていた80年代アメリカ文学も、改めて読んでみるとなかなか面白くて、マジソン・スマートベルの『ゼロ・デシ・ベル』なんか、以前に読んだときは、音響技師がバーでテープレコーダを回して自分とまわりの音を録音し続けるという設定がとても陳腐でつまらなく感じたのですが、今読むとそれが逆に面白くて、設定もストーリーも語られている内容も、全部新鮮に感じてしまいました。バタ臭さは残るけど。
いわゆる「あらかじめ失われた世代」の作家は、日本で言えば明治以後の日本文学の黎明期が過ぎた頃に登場して、明治後期から大正にかけて活躍したおぼっちゃん小説家たちみたいな感じで、ぼくの中でイメージがとても悪いのですが(『アメリカン・サイコ』なんか、完全にギャグとしか思えないし)、それはもしかしたらぼくが思いっきりその時代を体感した世代だからかもしれません。今ちょっくら離れたところからそれらの作品を読んでみると、以前とは全然違う印象を受けますもの。
で、『ルールズ・オブ・アトラクション』ですが、日本でいつ公開されるのか、あるいは公開自体がされるのか、さっぱりわかりませんが、とりあえずポスターがかわいいのです。