
2500年前に建設され、BC48年頃に火災によって崩壊したエジプトのアレキサンドリアの大図書館が、1700年を経て再オープンするそうです。再び世界最大級の図書館として。
■Library reopens 1,700 years on
アレキサンドリアの大図書館は、ベルガモンの図書館、ケルススの図書館とともに世界三大図書館として知られております。アレキサンドリアが70万巻、ベルガモンが20万巻、ケルススが12万巻(諸説あり)を所蔵していたと言われますが、アレキサンドリアの場合は、ほとんど略奪に近い形で書物を奪ったりもして、内容を問わずにとにかく片っ端から書物(巻物)を所蔵していたようです。残念ながらその所蔵のほとんどは火災によって焼失してしまいましたが、放っておいても歴史に残るような名作は良いとしても、当時の「名作ではない」作品群、とりあえず収めていたような、当時の知識人にとってはどうでもよかったであろう書物群が失われたことが残念でなりません。
今に生きるぼくたちにとって重要なのは、というか読みたいのは、「名作」ではなくて、むしろ「名作ではない」書物なのですから。
ところで、歴史に疎いぼくは、当時の図書館に納められていた書物がどのような体裁を取っていたのかさっぱり知らずに、勝手にギャートルズに出てくるような粘土板に書かれたものを想像していたのですが、アレキサンドリアをはじめとした当時の図書館が所蔵していた書物は、パピルスに書かれたものと、羊皮紙に書かれていたものが混在していたそうです。
それにしても、口承から始まった人類の情報の伝達手段は、数千年を経て文字の発明と共に「書く」という方法に進化して、そのまま三千年近くその形態が続いていたのに、ここに来て「書く」以外に「打つ」という伝達方法が登場しました。これまで、「書かれた蔵書」を保管するという役割(だけじゃないけど)を担っていた図書館という建物は、今後どのように変化していくのでしょう。ちょっと楽しみ。
以前の日記でもちょぴっと触れましたが、エラトステネスはアレキサンドリア大図書館の館長を務めていたのですよ。丘の上の阿呆。