
02年10月22日(火)
『阿弥陀堂だより』つながりで『雨上がる』を観ました。
ううむ、この種の邦画は大嫌いだったはずなのですが、やたらと面白く感じてしまうのは年取ったからでしょうか。それとも心が寂しいからでしょうか。寺尾聰と宮崎美子の演じる夫婦がかわいらしすぎて、口を開けて映画に見入ってしまいました。三船史郎の殿様が、下手くそすぎて素晴らしかった。見習おうと思いました。
黒澤明監督の覚え書きより
これは、主人公とその妻のドラマである。まず、その二人の関係をじっくりと描かねばならない。夫の愛に生きている妻は、そのままの生活で満足している。しかし夫は、貧しい生活が妻を不幸にしていると思っている。もっと出世してもっと楽な生活を送らせようと齷齪している。妻は、そんな夫を見ているのがつらくて、悲しいのに、夫には妻の心がわからない。
時−享保、戦国時代が終わり、次にその反動として奢侈逸楽を追う元禄時代になる。そして、それに飽きそれを遠ざけて、質実尚武を尊ぶ享保時代が来る。これは、その時代の話である。
見終って、晴々とした気持ちになる様な作品にすること。
ぼくの人生もそろそろ雨が上がってもいいのではないか、などと思いつつ、享保の時代に思いをはせます。
つーか、どうせ降るなら土砂降りに。