
03年01月09日(木)
明治三十四年十一月六日、俳人正岡子規は夏目漱石に生涯で最後の手紙を送りました。その手紙の書き出しは、以下のようなものでした。
僕ハモーダメニナツテシマツタ、毎日訳モナク号泣シテ居ルヤウナ次第ダ。
衰弱しきった正岡子規が書いたこの言葉を、最近なにかにつけ思いだします。と、申しますのも、ぼく、すっかりプレステ2にはまってしまっているわけでして。
ゲームをすることがいけないのではないのです。ゲームをやめられない自分が不甲斐ないのです。一時間なら良いのです。十時間以上もぶっ通しでやってしまうのは、精神がたるんでいるが故のことではないかと思うのです。
映画を観れば思うところ有り、小説を読めば思うところ有り、音楽を聞けば思うところ有り、散歩をすれば思うところ有る。けれども、ゲームをやっても、思うところがあまりないのです。これは、単にぼくとゲームという表現形態とぼくの相性の問題なのだと思うのですが、ゲームを終えたあとに残るのは、罪悪感だけなのです。アア、マタヤッテシマッタ。
今年という年こそは、日々を精進し、どんな些細なものであってもよいから、必ずなんらかの仕事を成し遂げようと決心しばかりであるにもかかわらず、朝起きて、ゲームをし、昼食を食べてゲームをし、昼寝をして、夕方再びゲームをし、夕食をしながらゲームをし、明け方までゲームをしております。そうして、そのように家にこもっている自分に対し、ぼくはこう思います。僕ハモーダメニナツテシマツタ、毎日訳モナクゲームシテ居ルヤウナ次第ダ。

それでは、ラチェット朝まで行かせていただきます。