03年10月08日(水)

 最近、お仕事場ではコーヒーをやめてお茶を飲むようにしました。こころなし、精神が落ち着くような。

 映画『ガタカ』を観ました。『トゥルーマン・ショー』で世界中に騙される男を描き、『シモーヌ』で世界中を騙す男を描いたアンドリュー・ニコルさん、この『ダカタ』ではシステムを騙す男を描いています。舞台は、デザインベイビー(将来的に優秀な人間に成長するように遺伝子操作された赤ん坊)が日常的に誕生する近未来。主人公は遺伝子操作を受けていない青年。彼の夢は宇宙飛行士になることだったが、遺伝子操作を受けていない彼は、不適合者としてチャンスすら与えられない。そこで事故によって車イスの生活を送っている適合者から、彼の人生を買い取り、適合者になりすまして宇宙飛行士を目指す。というお話。なかなか面白い映画でした。

 ひとつだけ気になったことを挙げれば、イーサン・ホーク演じる主人公が、遺伝子操作を受けた適合者と同等の能力を持って描かれているため、デザインベイビーという技術の恐ろしさがいまいち伝わらないこと。デザインベイビーの恐ろしさは、人が遺伝子を操作するという倫理的な問題に加えて、人間の価値が評価によって決定するという、絶対的な能力主義が潜在している点にあると思います。勘違いしてはいけないのは、この映画の主題が、そのような遺伝子技術を非難することではなく、遺伝子操作を受けていないという障害をもった青年が、その障害を乗り越えて夢を叶える(能力主義の世の中で、能力によって成功する)というプロセスにあるということです。

 他にもデザインベイビーを扱った映画ってあるのかしら。ちょっと調べてみよう。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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