
月に一度、「映画を観て誉めよう会」というものを行っております。友人と一緒に映画を観に行き、それがどのような駄作であっても必ず誉めなくてはいけないというのがこの会の趣旨でして、今回観に行ったのは、ロバート・アルトマン監督の『ゴスフォードパーク』でございます。
レイモンド・カーヴァーの短編をオムニバス風にしてひとつの作品へと作り上げた『ショート・カッツ』以降、ぼくの中でアルトマンという監督は外れなしの監督でして、悪名高き『カンザス・シティ』でさえも楽しんでしまったぼくにとっては、この『ゴスフォード・パーク』は観る前から貶しようのない作品だったので、感想はと言えばもちろんすげーおもしろかった!当初、主な登場人物だけでも20人以上ということで、話がややこしくなるかしら、と危惧していたのですが、そんなことは全然なくて、非常に良くできた、というのはサスペンスとして良くできたという意味ではなくて、物語としてとても楽しめる作品でした。
アルトマンの作品の中で順位をつけるとしたら、一位が間違いなく『ショート・カッツ』、二位が『クッキー・フォーチューン』、三位が『Dr.Tと女たち』、そんで四位が『ゴスフォード・パーク』になるかしら。
ところで、『ゴスフォード・パーク』のサイトを眺めていたら、こんな事が書いてありました。
本作品のように様々な登場人物がひとつの場所に集い、それぞれの人生が交錯していくストーリーは、その原点である名作の名を借りて「グランド・ホテル方式」と呼ばれている。そして本作品の舞台となっている1932年、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したのが、その『グランド・ホテル』だった。
ですって。
映画を見た後は、表参道に場所を変えて「宇明家」というお店で日本酒を飲みながらおいしい餃子をいただきました。
一緒に『ゴスフォード・パーク』を観たその友人は、「おれは演じるなら、階上の人の役ではなく、階下の人を演じたい」と力説していました。何言ってんだこいつと思いました。
御年77才のアルトマン翁、果たしてあと何作撮れるのか。死ぬ前にもっともっと楽しませてください。お願いですから。