
02年09月05日(木)
今月号のユリイカは「ブロンテ姉妹」特集です。
そんでは『ジェーン・エア』の映画を観てみましょうと、ビデオレンタルで異なるバージョンの『ジェーン・エア』を三種類ほど借りてきました。いやー三本連続はきつかった。
個人的に一番良かったのは、映画としては一番新しいシャルロット・ゲンズブールの演じたジェーン・エアで、個性的な顔をしているけど決して美人ではないというジェーンのイメージにぴったりで、仕草や表情なんかも完全にジェーンそのものでした。観ているだけで気持ちが良い演技というものがありますが、彼女の演技はまさしくそれでして。ああ、素敵。
シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』は、文学史上の古典や名作をほとんど読まないぼくが通読した、数少ない名作のうちのひとつです。昔、好きだった女の子に勧められていやいや読み始めたのですが、あっという間に夢中になってしまいました。ジェンダー的な読み方なんて、これっぽっちもしなかったけど。
また、現在持っているよりも、もっと多くの実際的な経験を欲し、わたしのような種類の人たちと、ここで接しているよりも、もっと多くの交渉を持ち、もっといろんな性格の人たちと、知りあいになりたいと願った。わたしはフェアファックス夫人の美点を尊重し、アデールの良いところを重んじた。けれどもわたしは、この世には、もっと別の存在、もっといきいきとしたよさがあることを信じ、私の信じたものを見届けたいと思った。
映画を観ながら小説の『ジェーン・エア』をぱらぱらと捲っていたら、こんな独白に行き当たりました。映画の中でも、シャルロットが同様のセリフをとても素敵に独白します。そういえばぼくが好きだった人も、よくこのようなことを言っておりました。向田邦子さんもこんなこと言ってたな。ぼくはこういう女性が好きなのかしら。
『嵐が丘』のエミリ・ブロンテと、シャーロット・ブロンテが姉妹だって知ってました?